茶殻再生の袋と、 エキュート上野催事 ~2022年1月〜
12 月 6 日~22 日まで東京のエキュート上野で催事を行い、 たくさんの方に来て頂きま した。 ありがとうございます。
私は、 元は東京出身なので、和束町で創業した d:matcha が東京で販売することを個 人的にも嬉しさがありました。 結果もよく、また春先にお伺いできることになりました!
12 月 6 日~22 日まで東京のエキュート上野で催事を行い、 たくさんの方に来て頂きま した。 ありがとうございます。
私は、 元は東京出身なので、和束町で創業した d:matcha が東京で販売することを個 人的にも嬉しさがありました。 結果もよく、また春先にお伺いできることになりました!
お茶の栽培、加工、販売に携わっていると、この植物の持つ可能性、パワーに驚き新しい発想が生まれます。Tea Tour で、放棄茶園の説明をするなかで、そこにたくさん生る茶の実、種の説明をする時に茶の油や美容効果に改めて気づかされます。
お茶を飲むことで体の中から、 そして身に付けることで消臭効果やカテキンによる抗酸化作用さらにはビタミン C などの 効果も期待できるということに気づきました。早速、 化粧品会社さんをご紹介頂き商品化の議論を開始しました。
可能な限りチャ葉を含有させ、 化学系の素材は一切使用せずに天然素材だけで作る ことをコンセプトにしました。 また、 空輸に耐えるように、 液体ではなく個体の商材を候補 にし、「リップバーム」と「ソリッドパフューム」に最終化しました。 ソリッドパフュームは 練香水と言われるもので、個体がゆえにゆっくりと香りが気化するため、匂いがきつくなり過ぎず、舞子さんも練香水を活用されており、非常に京都らしいのもあって取り組むこ とにしました。「リップバーム」は冬に私もよく唇が荒れるため使用したいということもあり ます。 これらの商材に自社開発の” バスソルト” も加え、今後もラインナップを充実させて行く予定です。
商品開発に入ってから学びましたが、 化粧品は法規制が非 常に厳しく、 表現できる内容や記載が限定されていますが、 ホ ホバ種子油、 ミツロウ、 シア脂、 ツバキ種子油、 チャ葉、 トコフェ ロールの天然素材だけで構成でき、 PKG も満足のいくものにな りました。 そして、 自社の農薬不使用栽培の一番茶おくみどり を贅沢に使用し、 茶が最大限濃くなるように何回も試作してもら いました。 まず隗より始めよ、ということで私はずっとこの新商品リップバー ムを使用していますが、非常に唇の状態が良いです。
これからもお茶の可能性を追求し新しい価値を d:esign していきたいと考えています。
代表取締役 田中大貴
コロナによる延期が重なったイノ旅事業がついに 2021年10月19日~ 21日で開催をすることができました。東京にある「かえつ有明高校」の高校1年生の生徒さん 31名が参加してくださいました。
イノ旅のコンセプトは、普段学生が生活している環境とは全く異なる地域に身を置き経験をすることでその地域に対する課題や対策を客観的に見て提言する経験を通じ、生徒自身にも地域にもイノベーションを起こそうというものです。ただ見て遊んで終わる修学旅行をより意味あるものにするという新しいカタチの旅です。d:matcha では、和束全体の walking tour や、茶畑工場ツアー、お茶の飲み比べ、昼食(茶そば、碾茶汁なし担々麺、スイーツ)の提供を行い、生徒さんの発表会も京都副知事や和束町長出席のもと d:matcha で行いました。生徒からのフィードバックは本当に新鮮でした。
先般、常連様をお招きし、和束茶の若手農家 5軒の「やぶきた」品種に限定した煎茶の飲み比べを行いました。
遡ること 2月、和束茶若手農家で集まって議論した際にでてきたのは、「やっぱり最終的にはやぶきた品種に、いきつく」「色んな要素で味わいは変わるが、つくり手が最も大きい変数」といった意見から、この和束茶若手農家別飲み比べの企画が立ち上がりました他農家から d:matcha が仕入れる形式を取りましたが、予算を決めて単価、量は各農家さんに決めてもらう、というユニークな形式。味わいの差は、想像以上に大きかったです。どれも美味しいの ですが、その美味しいの定義が随分と違う。その農家の方針を色濃く反映するのが「やぶきた」非常に上品で纏まりのある茶、旨味香りがわかり易い茶、とにかく自然由来の味に拘った茶など。
日本茶の栽培や加工、販売に携わり1日中そのことばかり考えていると、なぜ、和束茶は美味しく、その栽培の歴史も800年を超えるほど続いたかということを科学的にも理解したくなります。私は、昔から和束に住んでいる方や茶農家の人達がいう言葉は真実があり、それを科学的な理由でサポートできると尚面白いと考えています。例えば、「湯船のお茶は美味しいねん」「東向きの畑は香気はええねん」など、皆さんがたくさん経験されている中で導かれた結論なのでそれには信憑性がありますが、私のように「なぜ」が気になる人間はその理由を知りたくなります。詳細は、今後、大学や茶研など色んな研究機関とともに研究を進めることで、明らかにしていきたいと考えています。
今回は、和束の地形、地質について少しお話ししたいと思います。和束町は、複数の地層が複雑に入り組んだ非常に珍しい地形になっています。その土質も、砥石に使われるような石がたくさん含まれ水はけが良いものや、過去にはマンガンなどの微量元素の採掘場になっていた場所など、特徴的な土質が多く、和束町の中でも地域によって、その土の構成が異なることが非常に面白いです。この土質の何が香気に関係をしているかということをある程度関連づけることができればと考えています。
一般に、お茶の樹の場合、水はけが良いほうが根へのストレスが少なく、結果として葉は薄くなり、葉薄故に光合成効率を高めるために葉緑素を増やしてより緑色の濃い葉が自然にできます。そういった意味で和束町には水はけの良い土が多い、という特徴はひとつ高品質の要因になっていると言えると考えます。また、寒暖の差も品質に大きく関わっています。標高の高い原山(200m~400m)、や湯船(200m~300m)ではより寒暖の差が大きく最低気温が和束町内の他の地域と比べても低いことが明らかになっています。寒暖の差と和束の中心を流れる和束側の影響から霧が発生し、霧がほどよく太陽光を遮ることで、被覆栽培をしていなくても、被覆をしたような旨味と濃い緑の茶葉ができるのが地形的な特徴です。さらに、最低気温が低く、湿度も高いことから、茶の成長速度が緩やかで硬化の速度も遅く、芽の収穫の摘採期が長いことも美味しい茶を作れることに大きく起因しています。
このような和束町の地理的、気候的特性と、長年茶農家が培ってきた栽培技術や加工技術、産地としての強みが和束茶の魅力を形成しています。今回は、短い内容の紹介に留まりましたが、よりfactを明らかにして、こういった内容を公開することで皆さんに和束茶のテロワールを楽しんで頂けるような切り口を紹介していければと考えております。
代表取締役 田中大貴
本年は、お茶のさらなる可能性の追及、テクノロジーでの茶業の課題解決、糖質オフの健康スイーツ、そして米づくり(稲作!)などチャレンジしていきたいと思っています。「茶」と向き合った場合、我々が現役で収穫に向き合えるのは、あと40回くらいしかありません。1年1年無駄にせず、経営という観点でもやりたいことは全て実現していきたいと思います。
お茶のさらなる可能性の追及でいうと、マメ科植物を近場で育て、マメ科植物が固定した窒素を肥料の替わりにする方法やカモミールなどのハーブと茶を育てることで無農薬栽培下でも防虫効果を期待できるような農法にチャレンジしようと考えています。また、今期の冬には2品種の京都品種を改植して新たに植える予定です。本質的な「味」を追及することは勿論ですが、そのお茶を育てる背景(環境負荷や健康嗜好など)も含めてお伝えできることが茶農家としての魅力ではないかと感じています。ワインもそうですが、栽培や加工に含まれる情報も含めて楽しんで頂けるようなモノづくりに励みたいと感がえています。
2021年4月10日は和束町では氷点下まで気温が落ち、防霜ファンでも防ぎきれない程の凍害をうけ和束町中の茶園が大打撃を受けました。d:matchaの茶園も南部に位置する茶園を中心に幾つかの畑は全滅の被害を受けました。防霜ファンは、茶園に付いている大きな扇風機で、茶園上部にある比較的暖かい空気を最も冷たい地表周辺に攪拌して霜を防ぐとても大事な機械です。
↑写真は防霜ファン。センサーがついており4℃以下で作動。空気を攪拌して霜を防ぐ。
しかし、氷点下まで気温が落ちると効果をなさないこと、1年間のうち2週間程しか動かず、他の時期はブレーカーを落としても毎月使用月の半額の電気料金が結構な金額かかること、年中風車が回っていたり太陽を浴びているのに動かす時は電線で引っ張った電気をつかざる得ないということ。今の技術であれば、使用しない時は、太陽光や風力で電気を発電して売電し、蓄電した電気で必要な時には温風を創出して吹きかけるなど、今の技術ならできるのではないか、と専門家ではないので逆に思ってしまいます。
新しいファンの開発は、新しいビジネスとしても成り立ち、茶農家や茶産地にも大きなメリットをもたらすのではないかと考え、今は色んな方にお願いしてメーカーの方と繋がって話を進めていきたいところです。
一つ一つ、解決したいことは、ただ待つのではなく、最大限動いて解決を図っていきたいと考えています。
代表取締役 田中大貴
2020年は、本当に激動の1年でした。我々d:matchaに起きたこと、その都度どのように対応し、この1年間を過ごし、来年以降を考えているのかをまとめました。
まず第一に、オンラインでの販売活動やサービス活動を強化すること。オンラインではストーリーや情報がより載った商品を、動画や写真などの最大限活用して伝えていくことが必要。d:matchaにしかできない価値を突き詰めて、提供していきます。良い発見は、海外のお客さまとは、オンラインを活用すれば恒常的に繋がることができる、ということ。これは、コロナ禍関係なくひきつづき続けていきたい。オンラインだからこそ、より細かいことや自分達の感謝をお客様に伝える工夫をすることを心することが大事です。
また、お客様が店舗訪問をする際には、今まで以上にそこへ行く「理由」が必要になるということ。和束町にしかない景観をより楽しんで頂くサービスや、産地だからこそ味わって頂ける多種類のお茶に食事を提供していくことが一層求められていると感じています。
加えて、和束茶やd:matchaのお茶の定義を英語で発信する活動を2021年は一層強化していく予定です。さらに今後の方向性に備えて採用活動も強化し、相性のよいスタッフを増やしていきたいと考えています。
オーガニックでのお茶栽培は勿論、和束町でも可能な再生可能エネルギーを創り出す事業、過疎地である和束町で都会のアパートのように気楽に住むことができる住居の整備事業、お茶以外の業種の方々とのコラボレーションなど、活動の幅を広げて社会問題の解決と和束茶、d:matchaの発展に挑戦していきたいと考えています。
以下、備忘録。