和束の地域ブランドとGI認証 ~2022年3月〜

田中美里
2025年の大阪万博に向けた地域ブランド重点地域として、"和束茶”が経済産業省近畿経済産業局に認定され地域の中から9業者が選ばれどういった地域ブランドを目指していくかの議論を行って参りました。 

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鹿児島県と宮崎県、 お茶産地を訪ねて ~2022年2月〜

田中美里

2021 年、 鹿児島県の生産量が長らく日本イチであった静岡県を抜いたというニュースが ありました。

また、 私自身海外の方とやり取りしているなかで鹿児島のお茶が話題になっ たり、 アメリカに住んでいた 2015 年頃にもスーパーで置かれている抹茶は鹿児島県産 が多かったこともあり、 是非この目で見たいとずっと考えていました。

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茶殻再生の袋と、 エキュート上野催事 ~2022年1月〜

田中美里

12 月 6 日~22 日まで東京のエキュート上野で催事を行い、 たくさんの方に来て頂きま した。 ありがとうございます。

私は、 元は東京出身なので、和束町で創業した d:matcha が東京で販売することを個 人的にも嬉しさがありました。 結果もよく、また春先にお伺いできることになりました!

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自社抹茶を活用したソリッドパフュームとリップバーム ~2021年12月~

田中美里

お茶の栽培、加工、販売に携わっていると、この植物の持つ可能性、パワーに驚き新しい発想が生まれます。Tea Tour で、放棄茶園の説明をするなかで、そこにたくさん生る茶の実、種の説明をする時に茶の油や美容効果に改めて気づかされます。

お茶を飲むことで体の中から、 そして身に付けることで消臭効果やカテキンによる抗酸化作用さらにはビタミン C などの 効果も期待できるということに気づきました。早速、 化粧品会社さんをご紹介頂き商品化の議論を開始しました。

可能な限りチャ葉を含有させ、 化学系の素材は一切使用せずに天然素材だけで作る ことをコンセプトにしました。 また、 空輸に耐えるように、 液体ではなく個体の商材を候補 にし、「リップバーム」と「ソリッドパフューム」に最終化しました。 ソリッドパフュームは 練香水と言われるもので、個体がゆえにゆっくりと香りが気化するため、匂いがきつくなり過ぎず、舞子さんも練香水を活用されており、非常に京都らしいのもあって取り組むこ とにしました。「リップバーム」は冬に私もよく唇が荒れるため使用したいということもあり ます。 これらの商材に自社開発の” バスソルト” も加え、今後もラインナップを充実させて行く予定です。

商品開発に入ってから学びましたが、 化粧品は法規制が非 常に厳しく、 表現できる内容や記載が限定されていますが、 ホ ホバ種子油、 ミツロウ、 シア脂、 ツバキ種子油、 チャ葉、 トコフェ ロールの天然素材だけで構成でき、 PKG も満足のいくものにな りました。 そして、 自社の農薬不使用栽培の一番茶おくみどり を贅沢に使用し、 茶が最大限濃くなるように何回も試作してもら いました。 まず隗より始めよ、ということで私はずっとこの新商品リップバー ムを使用していますが、非常に唇の状態が良いです。

これからもお茶の可能性を追求し新しい価値を d:esign していきたいと考えています。

代表取締役 田中大貴

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ANAとのイノ旅事業ついに実施 〜2021年11月〜

田中美里

コロナによる延期が重なったイノ旅事業がついに 2021年10月19日~ 21日で開催をすることができました。東京にある「かえつ有明高校」の高校1年生の生徒さん 31名が参加してくださいました。

イノ旅のコンセプトは、普段学生が生活している環境とは全く異なる地域に身を置き経験をすることでその地域に対する課題や対策を客観的に見て提言する経験を通じ、生徒自身にも地域にもイノベーションを起こそうというものです。ただ見て遊んで終わる修学旅行をより意味あるものにするという新しいカタチの旅です。d:matcha では、和束全体の walking tour や、茶畑工場ツアー、お茶の飲み比べ、昼食(茶そば、碾茶汁なし担々麺、スイーツ)の提供を行い、生徒さんの発表会も京都副知事や和束町長出席のもと d:matcha で行いました。生徒からのフィードバックは本当に新鮮でした。

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有機栽培や農薬不使用栽培について 〜2021年10月〜

田中美里
D-matcha では、2017 年よりお茶栽培については年々農薬不使用栽培での面積を拡大させています。当初、こうした栽培方法に着目したのは海外含めそこにニーズがあるからと判断したからですが、農業に携わるようになり、自然に近い方法で自然のサイクルを中心に作物を育てることの面白さ、自然の偉大さ、そこから齎される味わいに感動し、また勉強をさせていただいています。

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和束町で、農薬不使用の稲作 〜2021年9月〜

田中美里
D-matcha では、2021年より弊社管理の丁度中間にあった田んぼの耕作を始めました。米は日本の主食。日本の食文化とは切っても切り離せない食材です。特に私は、玄米が大好きです。玄米は米ぬかの部分も食べるので、栄養価が高く、そして糖質の吸収が白米に比べて緩やかな低 GI 食材でもあります。ですので、お店で提供する面も玄米抹茶麺と玄米煎茶パスタに変更しました。ただ、玄米は外側まで全て食べる分、やはり農薬は不使用で作りたくて、元々の農家さんの反対(「絶対、大変やで」)を押し切って農薬不使用での栽培を行っています。しかし、お茶以上に雑草の処理がこんなに大変になるとは想定外でした。ヒエが凄い 勢いで生えてきます。

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和束の茶葉は、作り手の茶農家を現す ~和束・茶農家別煎茶飲み比べ~ 〜2021年8月〜

田中美里

先般、常連様をお招きし、和束茶の若手農家 5軒の「やぶきた」品種に限定した煎茶の飲み比べを行いました。

遡ること 2月、和束茶若手農家で集まって議論した際にでてきたのは、「やっぱり最終的にはやぶきた品種に、いきつく」「色んな要素で味わいは変わるが、つくり手が最も大きい変数」といった意見から、この和束茶若手農家別飲み比べの企画が立ち上がりました他農家から d:matcha が仕入れる形式を取りましたが、予算を決めて単価、量は各農家さんに決めてもらう、というユニークな形式。味わいの差は、想像以上に大きかったです。どれも美味しいの ですが、その美味しいの定義が随分と違う。その農家の方針を色濃く反映するのが「やぶきた」非常に上品で纏まりのある茶、旨味香りがわかり易い茶、とにかく自然由来の味に拘った茶など。

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玄米茶麺の開発と稲作への挑戦 〜2021年7月〜

田中美里
今年は、「茶」に加えて「米」の栽培も行っています。
日本の強い農産物を栽培することは、農学部で学んだ人間としては根源的な欲求なのですが、と同時に影響をうけている番組「鉄腕ダッシュ」があります。今は惜しまれながら放送終了しましたが、TOKIOが活躍された番組です。この中で2016年に「日本一のラーメンを作る」という企画があり、全国から素材を手に入れ、麺打ちを行い、究極の1杯を作るのですが、そこで衝撃だったのが、まずTOKIOが畑に行き、「まずは、小麦の栽培からするか」と言ったことでした。「そこまでやるのか!」という驚きと同時に究極に格好いいと感じたのを今でも覚えています。

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d:matcha社長 なぜ、和束茶は美味しいのか --和束茶のテロワール 〜2021年6月〜

日和子 矢野

日本茶の栽培や加工、販売に携わり1日中そのことばかり考えていると、なぜ、和束茶は美味しく、その栽培の歴史も800年を超えるほど続いたかということを科学的にも理解したくなります。私は、昔から和束に住んでいる方や茶農家の人達がいう言葉は真実があり、それを科学的な理由でサポートできると尚面白いと考えています。例えば、「湯船のお茶は美味しいねん」「東向きの畑は香気はええねん」など、皆さんがたくさん経験されている中で導かれた結論なのでそれには信憑性がありますが、私のように「なぜ」が気になる人間はその理由を知りたくなります。詳細は、今後、大学や茶研など色んな研究機関とともに研究を進めることで、明らかにしていきたいと考えています。 

 今回は、和束の地形、地質について少しお話ししたいと思います。和束町は、複数の地層が複雑に入り組んだ非常に珍しい地形になっています。その土質も、砥石に使われるような石がたくさん含まれ水はけが良いものや、過去にはマンガンなどの微量元素の採掘場になっていた場所など、特徴的な土質が多く、和束町の中でも地域によって、その土の構成が異なることが非常に面白いです。この土質の何が香気に関係をしているかということをある程度関連づけることができればと考えています。

一般に、お茶の樹の場合、水はけが良いほうが根へのストレスが少なく、結果として葉は薄くなり、葉薄故に光合成効率を高めるために葉緑素を増やしてより緑色の濃い葉が自然にできます。そういった意味で和束町には水はけの良い土が多い、という特徴はひとつ高品質の要因になっていると言えると考えます。また、寒暖の差も品質に大きく関わっています。標高の高い原山(200m~400m)、や湯船(200m~300m)ではより寒暖の差が大きく最低気温が和束町内の他の地域と比べても低いことが明らかになっています。寒暖の差と和束の中心を流れる和束側の影響から霧が発生し、霧がほどよく太陽光を遮ることで、被覆栽培をしていなくても、被覆をしたような旨味と濃い緑の茶葉ができるのが地形的な特徴です。さらに、最低気温が低く、湿度も高いことから、茶の成長速度が緩やかで硬化の速度も遅く、芽の収穫の摘採期が長いことも美味しい茶を作れることに大きく起因しています。

このような和束町の地理的、気候的特性と、長年茶農家が培ってきた栽培技術や加工技術、産地としての強みが和束茶の魅力を形成しています。今回は、短い内容の紹介に留まりましたが、よりfactを明らかにして、こういった内容を公開することで皆さんに和束茶のテロワールを楽しんで頂けるような切り口を紹介していければと考えております

代表取締役 田中大貴

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