ANAとのイノ旅事業ついに実施 〜2021年11月〜

田中美里

コロナによる延期が重なったイノ旅事業がついに 2021年10月19日~ 21日で開催をすることができました。東京にある「かえつ有明高校」の高校1年生の生徒さん 31名が参加してくださいました。

イノ旅のコンセプトは、普段学生が生活している環境とは全く異なる地域に身を置き経験をすることでその地域に対する課題や対策を客観的に見て提言する経験を通じ、生徒自身にも地域にもイノベーションを起こそうというものです。ただ見て遊んで終わる修学旅行をより意味あるものにするという新しいカタチの旅です。d:matcha では、和束全体の walking tour や、茶畑工場ツアー、お茶の飲み比べ、昼食(茶そば、碾茶汁なし担々麺、スイーツ)の提供を行い、生徒さんの発表会も京都副知事や和束町長出席のもと d:matcha で行いました。生徒からのフィードバックは本当に新鮮でした。

例えば、walking では、高低差がきつ 過ぎる、靴が汚れる、危ない、ずっと同じ景色で退屈、そもそもお茶が苦すぎる、温度 冷ますのが退屈、といった率直な意見や、こんなお茶が美味しいとは、お茶スイーツが神、景色が綺麗、収穫体験などを通じて商品のストーリーが知れて嬉しい、そもそも和束町に所謂観光のようにたくさんの人を呼ぶ必要があるのか、などの鋭い感想もありました。

提言としては、「高低差を活かした健康活動を PR してみてはど うか」や、 「茶畑にジップラインを通してアトラクションにする」、「茶畑の真ん中に茶葉の露天風呂を作ってはどうか」など、一 生懸命考えた結果を共有してもらい、とても興味深かったです。

東京で生まれて東京で暮らす生徒さんからすると和束の暮らし やお茶という文化は非常に馴染みが薄いものであるが、体験し てみると興味深く、そうした興味をより多くの若い世代にどうもってもらうか、という問題意識が共通して多かったように捉えまし た。文化は若い世代に支持され update されることで継承される(例 えば、漫才のように)と私は考えていますので、急須での消費が減っていることを嘆くだけでなく、急須で飲むお茶の良さ等の本来的な価値はしっかりと残しつつも若い世代が着目するきっかけになるようなコンテンツをスイーツ以外にも、アトラクション的などの体験価値の発掘も含めて今後さらに高めていきたいと改めて実感した体験でした。

代表取締役 田中大貴