こんにちは!いつもd:matchaをご利用頂き、ありがとうございます。d:matchaニュースレターチームより畑や新開発の商品、スタッフの近況をご紹介していきます。どうぞ、ご愛読ください。

‐ 畑のこと (by Hiroki.A )

茶畑の生態系

和束町は宇治茶の主産地であり、古くからその役割を行ってきました。和束町には至る所に茶畑が存在しています。そして、自然に囲まれた茶畑では様々な生物が生活していて独特な生態系を作っています。自社の茶園は農薬を使用せず管理する畑も多くあることから、より多くの生き物たちを見る機会が増えます。

茶畑の生態系の食物連鎖はお茶を食害する虫たちから始まります。ウンカやシャクトリムシ、チャノホソガ、アブラムシなどがそれにあたり、これらはお茶の栽培にとって有害であることが多いです。これらの昆虫の密度が増えてくると、次はそれをたべる捕食者たちが出てきます。カエルやカマキリ、蜂、蜘蛛、肉食のキリギリス類です。これらの捕食者たちは体のサイズや種類によっては互いに捕食しあったりします。そして茶畑の食物連鎖の頂点にいるのが、シマヘビやマムシなどの蛇です。

面白いことに茶畑の生態系は茶畑の立地によって大きく異なります。そして持論ですが、決定しているのは田んぼの有無です。田んぼの近くの茶畑には非常に多くの蛇がいることが多く、逆に茶畑から問畑には蜘蛛とカマキリの個体数が多いように感じています。恐らく前者では田んぼからのカエルの流入が多くそれを主に捕食する蛇が増えやすい環境が出来ているからでしょう。茶畑に住む蛇の中にはマムシやヤマカガシの様に毒を持つ蛇もいるため、田んぼの近くにある茶畑での作業はいつも以上に注意が必要です。

↑田んぼの近くの畑で見かけたシマヘビの赤ちゃん

 

 

‐ Matcha beauty recipe No.14 (by Natsuki)

抹茶を気軽に取り入れてもらいたい!そんな思いから、日常で取り入れることができる抹茶レシピを開発しています。
第14回目は、特別編。実は先月休暇を取ってdmatcha フランス ラ・ロシェル店に行ってきました。フランスでの工夫された抹茶ドリンクに仰天した話です。

【フランス流日本茶ドリンクとは!?】

メニュー1:玄米茶キャラメルポップコーン

玄米茶パウダーをお湯で溶かして植物性ミルクのラテを作っています。なぜポップコーンなの!?なぜなら、玄米茶と言っても向こうではそんなの飲んだことないから伝わらない。玄米茶の香や飲んだときの食感がポップコーンに例えるのが1番近いのだそう。
飲んでみるとたしかに!キャラメルシロップと合わせたらポップコーン味でした。
味の表現が豊かですね。

メニュー2:ゆず抹茶スカッシュ

日本の3大人気の1つ、ゆず。
ゆずペーストに炭酸水、抹茶を注ぐと出来上がり。ここで驚くのが、手作りの柚子ペーストを使用しているということ。甘さ控えめに作った柚子ペーストでそのまま食べても美味しい!もちろん産地は高知県。
ゆずにもこだわっていて、フランス人の舌は騙せないですね。
ちなみに3大人気のその他2つは、もちとさくらです。

メニュー3:桜水出し煎茶

フランスでは一年中大人気の桜。
水出し煎茶と、言っても現地の方にわかってもらえないので、水出し煎茶とさくらシロップと混ぜてご提供。ほんのり甘い桜シロップで水出し煎茶が飲みやすくなっていました。

その土地に合わせたメニューの開発で日本茶を気軽に楽しんでもらいたいというオーナーの思いがお客様に伝わって、お店も繁盛していました!

↑オーナーのルーシー夫妻
 

玄米茶キャラメルポップコーン         ゆず抹茶スカッシュ


桜水出し煎茶

 

 

 

 - 抹茶の飲み方by Seiya.H)

私は店舗にてお客様に抹茶を差し上げたり、抹茶の点て方を指導する時に、お客様の方から「抹茶を正しく飲みたい。」「正しい抹茶の飲み方はありますか。」と聞かれる事があります。私は初めての方には「両手を使って飲んで下さい」としか言わないのですが、今回は茶道の世界で必ず行う抹茶の飲み方を説明していきます。

まず、亭主が客に抹茶を差し上げるときに、茶碗に何かしらの絵、記号、デザイン等があればそこが客の目の前に来るようにします。これは茶碗の「正面」と言います(絵等ない場合は、亭主が客に茶碗を向けた部分が正面になります)。客は「お点前頂戴いたします。」と亭主に挨拶をした後、茶碗を左掌にのせ、右手で横を持ち、感謝の気持ちを示す為に茶碗を少し上に上げます。そして、茶碗を時計回りに2回回し、抹茶をいただきます。茶碗を回す動作は、茶碗の正面を反対側(神様がいる方へ)に向ける、見せるという意味がこめられています。
(この手順は客が1人の場合で、複数の客だと多少手順と動作が追加されます)

茶碗を飲み終わった後は、指で飲み口をぬぐい、茶碗を半時計回りに回して正面が自分の方に来るように戻したら、茶碗を拝見する事が出来ます。基本的にお茶会では、亭主がこの日の為に、本日のお客様の為に茶碗を選ぶ為、その茶碗をしっかり見る機会が得られます。茶道には一期一会という言葉があり、もう二度とめぐり合う事のないかもしれない本日の茶碗や茶道具とのめぐり合わせに感謝し、しっかり記憶に刻む為の貴重な時間になります。

本来茶室だと更に細かい手順がございますが、上記の動作は抹茶を召し上がれる場所であればどこでも実現可能です。抹茶をゆっくり味わった後、お茶碗の方も是非拝見してみてください。

今年は兎年の為、新年の頃には兎が描かれている茶碗も沢山見かけられると思います。

 

 

 

 - d-matcha  4種お茶クッキーby Ko)

クッキーの元祖は7世紀のペルシアで、砂糖の使用がその地域で比較的一般的になった直後に生まれた。

クッキーは、製法により大きく分類されてます。

◢冷蔵クッキー、アイスボックスクッキーは、冷蔵・冷凍して固めた生地で作られる。生地は一般に円筒形に整形され、焼き工程の直前にスライスする。

◢揚げクッキーは、伝統的な krusczyki、ロゼット (rosettes)、fattigmann や、通常のドロップクッキー生地を油で揚げる新しいアメリカのトレンドである

◢ドロップクッキーは、比較的軟質の生地をスプーンでベーキングシートに落として作られる。焼き工程で、生地の盛り上がりが広まり平らになる。

◢絞り出しクッキーは、焼き工程の前に軟質な生地を絞り袋等から装飾的な形に絞り出して作られる。

◢クッキーはアイシング、特にチョコレートで飾り付けすることで、製菓の一種と類似することがある。

◢成形クッキーは、より固い生地で作られるクッキーで、焼き工程の前に手でボール状またはクッキーの形に成形される。生地をつくる際にベーキングパウダーを加えないことも多いです。

◢ロールクッキー(型抜きクッキー)は、より固い生地をロールで押しのばし、抜き型で成形して作られる。

 

 

 

- 山盛りの梅仕事 (by Hiromi)

南高梅の産地である和歌山県のみなべ町に住む友人から、今年もたくさん梅を送ってもらいました。昨年はじめて梅干を漬けてみて、意外にも美味しくできたので、今年は昨年の倍量くらいの仕込みにチャレンジしました。

お弁当やおにぎりなどご飯と一緒に食べる用に塩分濃度20%のもの、真夏の塩分&ミネラル補給用に塩分濃度18%の2種類を作りました。それでも少し梅が余ってしまったのでネットで調べてみたら、チャック付きの保存袋でも梅干が漬けられるとのこと!という訳で、子供のころに好きだったはちみつ入りの梅干を漬けこんでみました。通常の梅干作りと同じように下処理をし、チャック付き袋にいれ、バットなど受け皿に入れて重石をおくだけ。カビが生えないか心配だったのですが、3日後くらいにはたくさん梅酢が上がってきたのでほっとしました。痛んでしまい梅干にできない梅は梅ジャムに。梅ジャムはヨーグルトに入れて食べるのがお気に入りです。

今年は我が家の梅の木も大豊作で、青梅のうちに収穫し、梅シロップ、酵素シロップ、カリカリ梅を仕込んでみました。酵素シロップは2週間くらい経っても発酵せず…失敗したと思っていたのですが、取り残した梅を収穫して入れてみたら少しですが白い泡が出てきました。カリカリ梅は卵の殻を一緒に入れることで、殻のカルシウムが作用してカリカリ食感を生むらしいのですが、足りなかったからか半分くらいはカリカリしませんでした…。

新茶の慌ただしい5月が過ぎ少し落ち着く時期とはいえ、仕込み待ちのたくさんの作物を前に、処理仕切れるのかと後悔することがあります。ですがやり始めると楽しく、時間を忘れて没頭してしまいます。また保存食作りは作るシーズンが限られていて完成までに時間もかかるため、失敗を恐れて尻込みする時もあるのですが、美味しくできた時の喜びはひとしおです!こうして毎年試行錯誤をしながら、それぞれの家庭の味が作られていくのだと感じました。
 

 

 

 

- d:matcha創業物語23~ 1日2回の茶畑ハイキングツアー(by Misato.T)

2018年夏は茶畑散策ツアーが花開いた年でした。多い日には1日2回ツアーをすることもありました。

当時は和束町の原山地区にある鷲峰山のふもとにある急斜面の畑までご案内していました。店舗から車で途中まで移動し、そこからは徒歩で畑まで向かいます。
鷲峰山の登山道を上って向かうのですが、かなりの急斜面で高低差が大きいので登るのは大変です。お客様の中には体力的に最後まで登れず、途中でリタイアする方もいらっしゃいました。しかし、畑までの道沿いには和束町随一の絶景が広がっていて、最後まで登り切った方には達成感もあいまって一生忘れられない経験となったと言って下さる方も多いのでした。

社長が自らガイドをするのですが、1日2回のツアーを行った後は膝が笑ってしまうほど。かなりの重労働でした。

我々自身も、ツアーを行う中で、和束町が育んできたお茶の魅力、和束町という土地そのものの奥深さに魅せられていきました。

和束町のひとつは、和束町が持つ歴史の深さです。
約7世紀頃から古い文献に和束の名前を見ることができます。奈良・京都といった昔の都に近く、和束町は古くから日本の歴史と深い関係を結んできました。
歴史が深いが故に、お茶という日本文化を象徴する作物の栽培地として、茶栽培の技術を蓄積してきたのです。
そして、長い時間をかけて和束町の人々が作り上げた茶畑の景観美は絶景そのものです。急斜面の茶畑を見るたびに、和束の農家達の開墾の苦労を想像します。機械もない時代、茶畑を切り開くのにどれだけの労力がかかったことか。
その苦労の結晶が今、大きな景観資産となって、和束に来る観光客の人々を癒してくれるのです。