dmatchaスタッフのお茶研修会第2弾!〜水の硬度が違うと茶の味わいが変化!?10種の水で飲み比べ実験〜

Natsuki Shibayama

こんにちは

dmatcha magazineのNatsukiです。

2020年に実施したスタッフのお茶研修会についてレポートします😃常に勉強熱心なdmatchaスタッフたち。お茶の知識の幅を広げる目的で今回も実施!!

 

研修、第二弾

硬度が違う10種の水でおくみどり品種を飲み比べ

ある日、常連のお客様が来店、 

 

和束町で飲んだお茶が美味しくて茶葉を買って帰ったけど、同じような味が出ない、もしかしたら水が原因かもしれないから実験してほしい」

 

というお声をいただき、

硬度が違う水を10種類集めて実験することになりました。

確かに私たちも京都市で店舗を出す時に和束町で同じ淹れ方をしているのに同じ味にならず困った経験がありました。

フランスでお茶を淹れたときは、スーパーで軟水を購入してお茶を淹れましたが、うまく味が出るときとそうでない時がありました。

 

その原因はもしかすると水にあるのかもしれません!!

 

実際に日本茶の教科書でも、お茶には軟水が適していると書かれています。硬度50-80が、日本茶の渋み、旨味、苦味がバランスよくでて日本茶の味をうまく引き出してくれるそうです。

じゃあ、日本の水は世界と比較しても軟水、じゃあ全国どこでも美味しいお茶が飲めるはずじゃん!と思っていまいしたが、これはそうでもない様子です・・・

 

なかなか楽しい実験になりそうでワクワクしています( ´∀`)

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実験概要 

使用した水

硬度が高い順

コントレックス 1468mg/L

エビアン  304mg/L

ボルビック  60mg/L (東京都の水道水と同じくらい)

アルカリイオンの水  55mg/L

いろはす  40mg/L (大阪市京都市と同じくらい)

奥大山の天然水  20mg/L

和束の水道水  11mg/L (こんなに低かったんですね)

鹿児島の温泉水  1.7mg/L

 

実験方法

使用茶葉 d:matcha6日間被覆おくみどり 5g 

湯量 80cc

温度 60度

抽出時間 90秒

 

和束町の水で淹れるおくみどりの味は、

渋みと旨味のバランスが非常によく、低温で淹れるとさらに口の中で余韻が残る甘みのある味わいが特徴。

 

 水が違うとどんな味になるのか・・・

 

私たちの予想:硬度が高いと味が薄く、低い方が味がまろやかにでて美味しくなる。

果たしてどんな結果が待っているのでしょう!?

 

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 硬度の高い順から実験スタート

  

まずは海外産の水、

コントレックス(1468mg/L)、エビアン(304mg/L)、ボルビック(60mg/L)で実験。

感想:私たちの予想とは違い、甘かったです。ほかのスタッフも意外に美味しくて飲めるね!という声が上がりました。

水色も薄く、そのほかの渋みなどの成分は、あまり出ていないという印象。

フランスの水道水よりは美味しく飲めます!

 

②アルカリイオンの水 (55mg/L)、いろはす(40mg/L)で実験。

感想:旨味成分渋み成分もうまく出ず、なんだか物足りない印象の味でした。

旨味はなかなか出てくれないお水です。60°ではなく、80°くらいで淹れたらきっともっと渋みが出て飲みごたえがあるかも!京都市の水道水も同じくらいの硬度なので京都市で出店したときにうまく味が出なかったときと同じ状況でした。

 

③奥大山の天然水  20mg/Lで実験。

感想:先ほどよりも旨味が出てきた!でも和束町の水で淹れるときと全く同じ味わいではありません。渋みは出ているんだけど、少し旨味が足りないなという印象に。市販で販売されているペットボトル飲料水の中では1番美味しい味わいに。

 

④鹿児島の温泉水  1.7mg/L

感想:元々、高いアルカリ性で超軟水なので私たちにとって、最も期待値が高かった水。

旨味だけが引き出されて全然渋みが出ないという味わいでした。日本茶は旨味だけがあればいいというものでもないのかも、お茶らしさを求めてしまうともうちょっと渋みが出た方がいいなという感想でした。

 

 ⑤和束の水道水  11mg/L

渋み、旨味のバランスがちょうどいい。普段飲み慣れているので、おくみどりはやっぱりこの味ですね。という感想に。その土地のお水で育ったお茶はその土地のお水で淹れるのが1番美味しい。と言われますがそれが再確認できました。 

 

ちなみに、水色も硬水だととっても薄いんです。(写真1番右)

やっぱり何かの成分ができれていないんでしょうね。

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和束町の水はやはりお茶に適した水だった!実験のまとめ

今回の実験は、和束町の水道水を基準にして考えて飲んでいましたので、その味わいと比較すると、同じ条件下で淹れても、硬度が高いものも、低いものもお茶のもつ味わいが十分に発揮される訳ではないことがわかりました。

使用したおくみどりは私たちが普段から和束町の水で飲み慣れているので、おくみどりはこの味わいだ!と思いがちですが、その土地にあうお茶の淹れ方というのもある気がします。

ただ、和束町のお水が日本が軟水といわれているの中でも飛び抜けて低く、こんなに日本茶に適したお水だったとは、この実験でよくわかりました。( ^ω^ )

 

今回の実験でわかったことをシェアします。

※もし、海外旅行に行ってお茶を飲もうと思った時には、水道水は使用せずスーパーで売っている軟水を使用してみてください。きっと失敗しないと思います!

 

※私たちのお茶の購入してくださり、少しでも和束町で飲んだ時のお茶を再現したい・・・と思ってくださったら、

水道水は使用せず、パッケージの裏の硬度を確認して、硬度11mg/lに近い飲料水を使用してみてください。きっと和束町の味わいに近づきます。

 

これでお水迷子は解決と思います♪(´ε` )

 

 

今回の研修もとてもいい会になりました。

次回もお楽しみに♪

 

 

こちらにもお茶と水の関係について書かれております。

参考サイト

www.o-cha.net

 

使用した水のサイト

フランス産のコントレックスはもともとカルシウムとマグネシウムが豊富で超硬水飲料として知られています。

contrex.jp

 

鹿児島の温泉水なので、高いアルカリ性でまろやかな味わいの水。

www.onsensui.com

 

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【2019-10-13】dmatchaスタッフのお茶研修会第一弾!〜長崎、彼杵茶飲み比べと福岡、八女茶の玉露を味わう〜

田中美里

こんにちは。dmatcha magazineのNatsukiです。

今日は、スタッフのお茶研修会についてレポートします😃勉強大好き!?なdmatchaスタッフたち。みんなでお茶の知識の幅を広げる目的で、先日念願の第一回が開催されました!!パチパチ👏🏻

 

第一回研修タイトル

〜他府県のお煎茶を飲み比べ!長崎・東彼杵茶(ひがしそのぎ)の蒸し製玉緑茶と福岡・八女茶の玉露

茶葉は、スタッフの芝山がお休みを頂いて10日間の九州旅行をした時に、長崎県東彼杵町(ひがしそのぎちょう)の大山製茶園さんから直接購入したシングルオリジンの蒸し製玉緑茶と福岡・星野村の星野製茶園さんの伝統本玉露を使用しています。

 

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まず、東彼杵ってどこにあるの?

 

みんなで地図を広げながら・・ここか〜〜!長崎駅から電車で1時間半ほど。大村湾の東側に位置する人口約8000人の町。海と茶畑が広がっているとっても写真映えするお茶畑が広がっています!

こんな素敵な場所でお茶の作業できたら気持ちがいいだろうなと思うほどです。すぐお隣の町は佐賀県の嬉野。今は彼杵茶として販売されているところもありますが、少し前までは、彼杵茶が嬉野茶になって出荷されていたということがよくわかりました。(今でも嬉野茶として出荷されていることもあるそうです。)

 

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東彼杵マップ

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海沿いに広がる東彼杵の茶畑

 

くりっと丸まった玉緑茶との出会い

 京都のお煎茶は、ピンと形を整える精揉(最後に形を細く長くまっすぐ整える)工程という作業をするので、まっすぐな茶葉です。彼杵茶は、蒸し製玉緑茶と言って、深い緑色の水色でくりっと丸まった茶葉が特徴。玉緑茶の荒茶の蒸し工程は煎茶とほぼ変わらないですが、精揉工程がなく、回転するドラムに茶葉を入れて熱風を通して茶葉を乾燥させるため、丸いぐりっとした形状に仕上がります。

 スタッフ同士、玉緑茶ってどんな製法だったっけ?と調べながら、あぁ〜嬉野茶がその代表なのね〜とか、何で精揉しないの?など、お茶の研修らしい会話が飛び出していました。

 

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左:和束の煎茶 右:東彼杵の玉緑茶


彼杵茶をしっかり味わえるシングルオリジン”シックスセンス

 今回、試飲会で使用した茶葉は、東彼杵の6人のお茶農家さんが栽培した6種のシングルオリジン(単一品種)のお煎茶が楽しめる、その名も”シックスセンス”!

 

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緑の袋がとても可愛いシックスセンス

 パッケージは、旅行者にはありがたい袋付き。裏側は生産者の顔がよくわかる素敵なデザイン。真空パックにされた丁寧な包装。これだけでも勉強になります。(^o^旅行者にとって、お土産の持ち運びしやすさはとても助かります。

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70℃のお湯で一煎目を味わいました

 <品種名>

壱 おおいわせ 

弐 さえみどり

参 つゆひかり

四 やぶきた

五 おくゆたか

六 おくみどり

 

パッケージの順番通りに、淹れ方も手順通りに頂きました。スタッフ全員が玉緑茶を初めて頂きます。うまく淹れられるかドキドキ・・・

(使用した量)

ティースプーン1杯(5g)

お湯 70cc

温度 70℃

 

どの品種も味の個性があって旨味、まるみがあり、思わず美味しい〜!と声に出してしまう高品質でした。パッケージされている品種の順番も考えらえて、説明書きが丁寧だから読み込んでしまうところもとても魅力的です。

スタッフの中で1番人気だったのは”壱”のおおいわせでした。

2煎目も3煎目も10℃づつ温度をあげて頂きました。

 

 

日本一と言われる八女の最高玉露

  私たちの中で八女といえば高級玉露の産地というイメージがあります。今回、八女市から車で1時間ほど山に入った星野村の星野製茶園さんの最高級玉露・伝統本玉露の”ほしの秘園”を味わいました。

伝統本玉露とは、

年に一度しか摘採しない、藁で棚(茶園を覆うための囲い)から被覆し、しごき摘みで丁寧に手摘みしたものです。

 

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星野村の茶畑

使用した量

ティースプーン大さじ1杯(8g)

お湯 70cc

温度 55℃

おお〜!と飲んだ瞬間笑顔になるスタッフたち。香気が高く、旨味が舌に広がり飲んだ後も余韻に浸れるまろやかな味わい。京都の玉露と比べると火入れが強めなのか?などの会話も飛び交いながら、最後の一滴まで味わいました。
 

 

 研修の締めは、贅沢な玉露飯で〆ました!♪( ´▽`)

 

 

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研修を通して

今回の研修を通して学べたことはいくつかありました。他の産地の煎茶の特徴を知ることができたこと。他のお茶農家さんも、シングルオリジン(単一品種)を販売されていること。パッケージや説明書も日本人向けだけではなく、海外の方にも伝わるように日英両方でデザインされており、お茶の販売の流れば日本だけにとどまらず、世界へ向いているということ。

ブレンド茶が主流だった時代から、シングルオリジンが注目されている現在、新しい時代の日本茶の可能性を感じました。その中で、世界に向けて発信している我々も、もっとできることはないだろうかと見つめ直すことができた研修でした。

 

 

dmatchaでも5種のシングルオリジン煎茶飲み比べセットを販売しております。和束町のお茶農家が直接販売するお煎茶を品種ごとに楽しんで頂けます。

 

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