こんにちは!いつもd:matchaをご利用頂き、ありがとうございます。d:matchaニュースレターチームより畑や新開発の商品、スタッフの近況をご紹介していきます。どうぞ、ご愛読ください。

‐ 畑のこと (by Hiroki.A )

 肥料 

お茶の年周期的な管理は収穫や剪定だけではありません。お茶の品質を決定する重要な要素に肥培管理があります。植物を栽培するにあたって重量な元素(窒素、リン、カリ)は三大要素といわれており、これらは自然界の循環システムでは十分な供給量を茶園にもたらしません。茶園の生育を促進し、収量・品質を向上させるには積極的な施肥が必要になってきます。

アミノ酸の主成分に窒素が含まれています。様々な研究で窒素の施肥量と茶葉に含まれるアミノ酸含量が正の相関を表すことが示されています。お茶に含まれるうまみ成分はアミノ酸で、お茶のアミノ酸含量はその品質を決定する重要な要素です。茶市場でも茶葉に含まれるアミノ酸含量は市場価格と大きな関係を持っています。このことから茶農家にとって肥培管理は経営方針を決定する大きな要因の一つとなります。d:matchaの自社茶園でも肥培管理にこだわりを持って向き合っており、高品質なお茶を提供できるように努めています。

 肥料には多くの種類があり、大きく有機肥料と化学合成肥料に分けられます。前者は生物由来のもので農水産業の廃棄物などを発酵させ肥料化したものです。菜種粕や家畜の糞尿、魚かすなどがこれに当たります。

後者は空気中にある窒素や、鉱物などの地下資源から化学的に精製したものです。硫安や過リン酸石灰、硫酸カリなどの単体及び複合的に配合したものです。

自社茶園では有機肥料を積極的に施肥しています。有機肥料は化学合成肥料に比べ有機物が多いため、重さに対しての三大要素の元素単体の含有量が低いのが特徴です。
そのため有機肥料で施肥管理を行う場合、ある元素導入量を満たすためには化学合成肥料によりもより多くの有機肥料を施肥する必要があります。
自社茶園では積極的に有機肥料を施肥しているため一袋20㎏の肥料を担ぎ茶園の中を行き来するとても大変な仕事となっています。

 

図)左が有機肥料、右は化学合成肥料(硫酸アンモニウム)。窒素換算でほぼ同じ含量


 

‐ Matcha beauty recipe No.16 (by Natsuki)

 

抹茶を気軽に取り入れてもらいたい!そんな思いから、日常で取り入れることができる抹茶レシピを開発しています。

第16回目は、もちもちした食感が美味しい、朝から簡単に作れる”抹茶ベーグル”。

【抹茶ベーグル】

・抹茶4g

・小麦粉150g

・砂糖10g

・水84ml~

・塩2g

・ドライイースト3g


1、材料を混ぜる

材料をはかり、小麦粉、砂糖、塩、ドライイーストをボールに入れてホイッパーなどでよく混ぜる。

水を入れてまぜ、粉っぽさがなくなったら手でこねる。

半分に分けて、一つはそのまま。一つに抹茶を加えてさらにこねる。

ラップをして30°でーー30~40分、一次発酵させる。

それぞれの生地を切り分けて、5分ほどベンチタイムをはさみ、ベーグル型に成形する。

2、茹でる

鍋に水を入れ、分量外の砂糖を少し溶かす。沸騰したら片面30秒ずつ茹でる。

オーブンを180-190°に予熱し、12-15分焼いて完成。

トースターやグリルで焼く場合は15分ほど( 焼き色が着いたらアルミホイルをかぶせる)

出来上がり!


【ポイント】

朝起きて、発酵までは作って、発酵中に朝支度をしていたらあっという間にできてしまいます!通常パン作りは2次発酵させるのが一般的ですが、ベーグルだと1次発酵でできてしまいます。簡単なので何回かリピートして作っています。

ベーグル型の作り方は初めての方はYouTubeなどで”ベーグル成形”などで検索すると作り方が出てきますので参考にしてください。

 

 

 

軸が静かに語る禅語(by Seiya.H)

お茶会でなくても、料亭などの和室にて、床の間に花と掛け軸(茶道では軸と呼ぶことが多いです)がかざられてるのを見た事はありますか。本日は床の間で見かける軸について語らせていただきます。

お茶会やお茶事になると、亭主はお客様の為に特定の軸を選びますが、大抵はその軸に書かれてる禅語を見て決める事が多いです。中には茶道の御家元(茶道の場合は千利休の家伝として継承されてる方)が執筆された軸を披露される亭主もいらっしゃいます。

中には数百年前に執筆された貴重な軸もあり、茶道のお稽古になると、この軸がなんと読むのか崩し字を解読しながら当てて行く事が毎回の恒例行事です。

お客様のお誕生日等、お祝いで使用されるのは「寿」の一文字等があります。軸によっては季節限定なのもあり、例えば夏の時期だと「風」「瀧」のような涼しげな軸を使用する事もあります。

初見では「なんと書いてあるんだろう」と想像しながら解読していくのですが、意味を理解しつつ、本日亭主がなぜこの軸を選んだのかと想像しながら禅語を勉強をしていくと、言葉の暖かさと重さが心に響くような気がします。

こちらは日々是好日(にちにちこれこうじつ)と読み、直訳すると、毎日が素晴らしいという意味になります。【日々是好日】という茶道関連の書籍があり、数年前に映画化されました

 

 

 - d-matcha   抹茶モンブランケーキby Ko)

 

モンブランは、栗などを原料とするクリームを生地の上面に絞りかけたケーキです。モンブラン山の形に似せて作ったことからこう呼ばれてます。
名前の由来は、アルプス山脈のモンブラン(フランスとイタリアの最高峰)。
フランス語では、モン・ブラン・オ・マロン(Mont Blanc aux marrons。またはMont Blanc)。「Mont=山」「Blanc=白い」という意味なので、モンブラン自体は「白い山」という意味になります。
モンブランはフランス1907年創業のパリ1区リヴォリ通りの老舗カフェ「アンジェリーナ」が、クリームをメレンゲ上に搾り出した形に発展させた物です。
d:matchaの抹茶モンブランケーキは、抹茶ファンも栗ファンも、どちらにも抹茶の魅力を、旬の味覚、栗とともに楽しめるようになっています。

 

 

- 急須を買いました! (by Hiromi)

数年前からほぼ毎日、急須でお茶を淹れて飲んでいます。自宅では誰かがもらってきたであろう適当な急須を使っていました。使い勝手はよかったのですが、プラスチックのフィルターが壊れてきたため、毎日使うものだからこそ長く使いたいと思えるお気に入りのものに買い替えようと探しておりました。

そして先日、旅行で訪れた福岡のお茶屋さんで、とても素敵な急須と出会いました。急須づくり70年の職人・磯部輝之さんという方が作られた、常滑焼の平型急須です。仕上がりは薄くて軽く、胴と蓋がぴたりと合わさり、急須の蓋の穴を抑えればお茶が漏れないほど高精度に仕上げられる職人は、ごくわずかだそうです。特徴的な平たい形は茶葉が重なりにくくなるため均一に開きやすく、甘味や旨味、苦味といった、お湯の温度によって異なる茶葉の特徴を捉えやすくなるそうです。

購入してしばらくは使うのがもったいなく眺めていたのですが、道具は使ってこそ活きるもの。平たい形とその軽さから最初は使いづらかったのですが、慣れてくると大変使いやすく、お茶を淹れる楽しみが増しました。急須にお湯を注いで茶葉がゆるゆると開いていく様は美しく、毎回うっとりと眺めています。また湯呑に注いだ時の流れ出る感覚や、蓋を開けると茶葉の香りがふわっと拡がるときの心地よさに、とても癒されます。使うたびに、お茶を美味しく淹れるために作られた道具であることを実感しています。

そしてそれぞれの茶葉の特徴を知り、良さを最大限に引き出す淹れ方を研究してみたいと思うようになりました。スタンダードなお茶の淹れ方はありますが、その時の茶葉の状態やお湯や淹れる人によって、味や香りの微妙な変化を楽しむことができます。急須は、そんなお茶が持つ可能性を無限に広げてくれる素晴らしい道具だと思います。

近頃は日々の慌ただしさに流されて雑に淹れてしまっていたのですが、この急須を使用してからは意識的に丁寧に淹れるようになりました。美しい所作でお茶を淹れ、大切な人をおもてなしできるようになりたいと思っています。
みなさんも、ぜひお気に入りの急須を探してみてください。そして豊かなお茶の時間を楽しんでいただきたいと思います。

 

 

 

 

-  d:matcha創業物語25~ d:matchaとルーシー(by Misato.T)

 

2019年夏、フランスからある女性がインターンとしてd:matchaにやってきました。
彼女の名前はルーシー。現在、フランスでd:matchaのフランチャイズ店を営んでいます。

彼女は元コンサルタント出身で非常に頭の回転が早く知的な女性です。非常に勉強熱心で、d:matchaだけでなく、日本全国の茶産地に実際に足を運び、日本茶の特徴や知識を自分の目と舌で習得していました。それでいて、お茶のこととなるとはしゃいでしまうお茶目な一面も持っていました。
日本茶に関する書籍や、コンクールにおける審査員を務めており、フランスにおける日本茶ブームを支えている主要人物の一人といえます。

彼女はインターン期間中、我々に大きな視野をもたらしてくれました。

一つは、茶に関する基礎情報開示の重要性と、それをパッケージに落とし込むことの重要性です。
その当時、日本ではお茶のパッケージはただ「煎茶」と書いてあるものがほとんどでした。その茶がどんな素性のお茶なのか、消費者にとっては全く見えてこないという問題点を改めて指摘してくれました。
そこで、いつ収穫し、どんなグレードの茶で、どの畑で収穫したのか、すべてが和束産のシングルオリジン茶であること、を明記することの必要性を説明してくれました。ルーシーとの議論がきっかけで、d:matchaのパッケージには、より細かい茶の基礎情報を記載することになりました。これはフランスのワインパッケージに見られるような、フランス人ならではの視点です。

デザインの観点から言えば、日英でお茶の詳細情報をパッケージに記載するとかなり情報量が多く、見た目は悪くなります。パッケージを変えた方が良いと言われることもしばしばあるのですが、デザインの優れた情報量の少ないパッケージよりも、お客様に茶の出自を明記し、それを日英で説明できることこそが我々のブランド価値だと考えています。

ルーシーからの二つ目の示唆は、お茶の味を言葉で表現して伝えていくことの重要性です。フランスワインでは、批評家が味のイメージや良し悪しを想像力豊かなワードで表現します。ルーシーとお茶の味の話をしていると、そういったフランス人ならではの表現の豊かさを垣間見ることが出来ました。日本人だと単に「渋い」とか「旨みの強弱」という程度の貧弱な表現ワードしか思い浮かばないのですが、「ナッツのような香り」というような味わいを他の食材に例えてみたり、おしゃれなワードがたくさん飛び出しました。
こういった表現の幅を広げるという点は、私自身もまだ勉強中です。味という飲んでみないとわからないものを、言葉で表現して購入者に味を伝えることができれば、大きなマーケテイングツールになるはずです。

彼女は私が今まで出会った中でも、1,2を争う強い日本茶愛を持った人です。
彼女のインターン期間は、我々自身も非常に学びが多く、楽しい時間を過ごすことができました。
日本茶という飲み物が日本だけでなくて世界の人を魅力する可能性を秘めた飲み物であるということを改めて実感したのでした。