d:matcha社長 2020年の振り返り
2020年は、本当に激動の1年でした。我々d:matchaに起きたこと、その都度どのように対応し、この1年間を過ごし、来年以降を考えているのかをまとめました。
まず第一に、オンラインでの販売活動やサービス活動を強化すること。オンラインではストーリーや情報がより載った商品を、動画や写真などの最大限活用して伝えていくことが必要。d:matchaにしかできない価値を突き詰めて、提供していきます。良い発見は、海外のお客さまとは、オンラインを活用すれば恒常的に繋がることができる、ということ。これは、コロナ禍関係なくひきつづき続けていきたい。オンラインだからこそ、より細かいことや自分達の感謝をお客様に伝える工夫をすることを心することが大事です。
また、お客様が店舗訪問をする際には、今まで以上にそこへ行く「理由」が必要になるということ。和束町にしかない景観をより楽しんで頂くサービスや、産地だからこそ味わって頂ける多種類のお茶に食事を提供していくことが一層求められていると感じています。
加えて、和束茶やd:matchaのお茶の定義を英語で発信する活動を2021年は一層強化していく予定です。さらに今後の方向性に備えて採用活動も強化し、相性のよいスタッフを増やしていきたいと考えています。
オーガニックでのお茶栽培は勿論、和束町でも可能な再生可能エネルギーを創り出す事業、過疎地である和束町で都会のアパートのように気楽に住むことができる住居の整備事業、お茶以外の業種の方々とのコラボレーションなど、活動の幅を広げて社会問題の解決と和束茶、d:matchaの発展に挑戦していきたいと考えています。
以下、備忘録。
- 2020年1月
- 和束茶をフランスのブルゴーニュ地方やボルドー地方のワインのようにブランディングをする仕組みを学びたいと考え、フランスに2週間ほど訪れました。また、以前d:matchaにインターンとして滞在してくれていたルーシーの協力を経て、パリでd:matchaの商品や和束茶を紹介するworkshopを実施しました。色んな学びはありましたが、一番は、フランスには国を挙げて品質を保証する仕組みがあること、明確な基準がワインのクラス別に設定されており、消費者が安心して良い商品を購入できること。また、フランス人は食事を通して食材や産地の情報を話合うことを大変に大事にしており、そこでの会話を通してワインの知識などが自然と伝承されていること。日本茶の持つ、歴史やその奥深さに加え、現在は発信が十分になされていない、産地の情報(品種、土地ごとの味わいの違いなど)を発信することができればまだまだ新しい魅力を伝えることができる可能性を感じました。
- 2020年2月
- コロナによる影響がではじめた月。東京の超高級ホテルからセレブがヘリコプターで弊社に来る予定でしたが、コロナを理由にキャンセルになりました。3月以降の予約についても、特に海外の富裕層を中心にキャンセルが増えていきました。ひょっとしたらば、ただごとでないことが起きる可能性があると考え、インターネットの強化、海外向け輸出情報の発信強化、催事場所の確保など、あらゆる可能性を考えて準備を進めました。同時に、自社の荒茶工場の整備を進めて、内製化をすることでのコスト増や魅力ある商品創りの強化の準備をはじめました。2019年9月にインターンで参加したRyhanが正社員として加わった。今となっては、ぎりぎりのタイミングだった。
- 2020年3月
- 次々とフライトがキャンセルになっていった月。ギリギリまで、海外ツアー顧客の団体を受け入れを行い、本当にフライトが無くなって帰れなくなる顧客まで受け入れを行っていました。3月は、都心部を避け、和束町本店のような郊外で人が少ない、くて比較的安全という要望から本店への日本人顧客が増えた月でもありました。最悪の事態を考えて、金融機関からの融資を最大限に増やしました。利子を3年間払うことなく借り入れができる、国が用意してくださった制度を活用して最大限融資を増やしました。3月以降、d:matchaの中でも特に成長を続けていたインバウンドの部門がほぼゼロになってしまう。
- 2020年4月
- 新茶の時期。本来、4月、5月は和束町が最も盛り上がり、お茶の栽培もさることながら、たくさんのお客様が和束町を訪れる時期。しかし、感染者が増え、緊急事態宣言の発令がなされる中で、リアル店舗への訪問は激減しました。店舗のオペレーションも、take outのみへと変更し、店舗スタッフについても、畑の研修やオンライン通販の研修などを行いました。
- 2020年5月
- 本来は、最も忙しいはずのGW。和束町内で営業を続ける小売店は、弊社のみ。お客様はゼロではないものの、極めて少ない状況。お茶の収穫、加工、そして収穫及び加工の動画を作製して発信することに注力。幸運なことに、オンラインで発信した新茶を使用したティラミスが全国放送のテレビに複数回取り上げて頂いたおかげで、過去最高のインターネット売上を達成。緊急事態宣言が解除された後、心配してくださった、お客様がたくさん来店してくださったことは本当に嬉しい時でした。
- 2020年6月
- d:matchaにとって5期目に入った月。お中元などの注文が増えていったこと、さらに国内外のインターネット販売が伸びていき、本店への来店数も増えた。一方で、都市部の百貨店催事の実績は非常に芳しくないことが、人の流れ購買行動の変化を表す顕著な事象でした。 d:matchaの仕事ではないが、過去3年間続けていた神山財団奨学金の面接官も無事東京で行うことができたことも嬉しかった。ただ、感染リスクを気にした結果、初めて東京出張にも関わらず、終日東京駅のみの滞在で日帰りで終わった経験でした。。
- 2020年7月
- 京都府から、コロナ危機克服会議や、定住条例検討委員会の委員などの依頼を受け、公共の仕事の役割が増えました。コロナ禍により、今までの前提と大きくことなるような状況のなかで、今後の京都府の方向性を検討していくメンバーに加えていただいたことは光栄で、私自身も自社のビジネスの方向性を考えていくうえで重要な機会となっていいます。
- 2020年8月
- 周辺地域からのお客様が大いに増え、前年よりも本店、インターネットの実績が増えた月。コロナによって遠方への訪問リスクを懸念するお客様が本店に来訪された結果、前年を大きく上回る実績となりました。近隣に向けた店舗広告も良く機能しました。
- 2020年9月、2020年10月
- 例年休みにしていた水、木をオープンしてい営業を行うことで、固定費を大きく変えることなく、売上を増やすことができた。特に水曜日は、売上が良いことは新しい発見となった。GO TOキャンペーンも始まり、特に地域共通クーポンの利用が増えたことによる恩恵が出始めたこと、卸先のホテルからの注文が飛躍的に伸びた時期。
- 2020年11月
- 例年は京都市内で催事を行い、売上を大きく上げる月だが、今年は弱いと読み、本店、インターネットでの活動に注力をする判断をとった。京都府から中小企業優良企業の表彰を受けたことは嬉しかったです。翌年以降の需要を睨み、外席の整備や、チョコレート機械の投資、冷蔵庫/冷凍庫設備の増設などの準備を始めた月でもある。
- 2020年12月
- 12月上旬までは前年よりも忙しい状況だったが、中旬以降は再び感染者数が増えたこともあり、本店への来客は減り、特に店内での飲食を行うお客様が激減した。その一方で、オンライン通販の売上が伸びていき、近鉄奈良で行った催事も比較的堅調であったことから12月は前年よりも忙しい月、となった。