玄米茶麺の開発と稲作への挑戦 〜2021年7月〜

田中美里

今年は、「茶」に加えて「米」の栽培も行っています。
日本の強い農産物を栽培することは、農学部で学んだ人間としては根源的な欲求なのですが、と同時に影響をうけている番組「鉄腕ダッシュ」があります。今は惜しまれながら放送終了しましたが、TOKIOが活躍された番組です。この中で2016年に「日本一のラーメンを作る」という企画があり、全国から素材を手に入れ、麺打ちを行い、究極の1杯を作るのですが、そこで衝撃だったのが、まずTOKIOが畑に行き、「まずは、小麦の栽培からするか」と言ったことでした。「そこまでやるのか!」という驚きと同時に究極に格好いいと感じたのを今でも覚えています。

お米も日本の主食でありながらその生産量は減っていますが、和束町でも斜面は茶畑、平たく粘土質の土壌では小さいながらも稲作が営まれています。水が綺麗なので大変美味しいです。大量生産できるような地形では無いので、茶農家さんが自家用に栽培しているケースが多く見受けられます。いつかはチャレンジしたい、と考えていた稲作ですが、昨年から我々が耕す茶畑の真ん中にある田んぼがご高齢を理由に耕作を止められていましたので、早速声をかけ2021年度から栽培を開始しました。

米、特に玄米は栄養価が高く、また、低GI値の食品(繊維質などが多く、血糖値の急激な増加が起きにくい)であるため、糖尿病家系である私は非常に興味深く感じ、また個人的には玄米の味そのものを好きでした。玄米は胚芽や皮まで使用するため、自社の田んぼでは無農薬での栽培を行っています。この玄米を活用し、茶麺を製造する予定です。もちっとした食感に加え、優しく玄米と茶の香を楽しむことができる麺です。製麺機を導入し、本格的な生産を7月から行っていく予定です。その他、玄米の糠を使用した低糖質の菓子など、糖質や血糖値を気にする方でも楽しめる、日本が誇る玄米を活用した商品群を今後一層拡大して行く予定です。

限りある人生の時間のなかで、私達が食べたいと感じ、やりたいと思う農業を可能な限り迅速にどんどん行っていきたいと考えています。仮に80歳まで生きるとしても農業は基本的に年に1回なのであと40回程しかありません。1年も無駄にしないよう動きながら考えて挑戦です。  

代表取締役 田中大貴