品質への挑戦 2026年1月
品質への挑戦
宇治抹茶栽培における伝統技術の継承
本年の Japanese Tea Selection において、
手摘み ごこう 有機抹茶が金賞、
ごこう 有機抹茶が銀賞、
さみどり 有機抹茶が奨励賞を受賞いたしました。
手摘みの茶園では、棚栽培を採用し、施肥管理も見直したうえで、新芽の柔らかい部分のみを一葉一葉手で収穫しています。収穫後は自社工場にて碾茶加工を行い、自社の石臼で丁寧に挽いて抹茶に仕上げています。
宇治地域においては、有機栽培そのものがまだ非常に少なく、また一般的に「有機=美味しさや品質への妥協」というイメージを持たれがちな側面もあります。その中で d:matcha は、有機であることと、味・品質の一流性の両立を目指し、慣行栽培の茶も含めた評価の場においてこのような評価をいただけたことを、大変嬉しく思っております。
また、今回評価いただいた抹茶はいずれも、コンテストのためだけに少量生産した特別な茶ではなく、実際に d:matcha の公式サイトや店舗にてお客様にご購入いただいている商品です。その点においても、非常に意義深い受賞であると感じています。
手摘みの有機抹茶については、d:matcha オリジナル缶の完成を予定している 12月末以降、順次販売を開始する予定です。
今後 d:matcha では、より高品質な有機日本茶の栽培に一層力を入れてまいります。
2026年には、遮光資材を二段にかけることができ、より高い遮光率を実現する二重被覆棚を2箇所新設し、新たな品種による手摘み茶のラインナップを拡充する計画です。湯船地区には、宇治の茶園で10年以上にわたり手摘み栽培に携わってきたベテランの方々が多くおられます。そうした方々に現場へお越しいただき、私たち自身も学びながら茶づくりを進めていきます。被覆に必要な藁については、d:matcha 自社田で生産したものを使用することが可能です。
さらに2027年には、本葦簀(ほんよしず)による栽培にも挑戦します。現在、葦簀を作る職人は年々減少していますが、若手の葦屋根職人の方々とともに、葦簀づくりそのものから学び、琵琶湖産の太く丈夫な最高品質の葦を収穫し、葦簀を編む工程から取り組んでいきたいと考えています。
抹茶がかつてない世界的ブームとなる中、私たちはその流れに感謝しつつも、日本、そして京都が長年にわたり培ってきた伝統文化と栽培技術に深い敬意を払い、「拡大」よりも「深さ」を重視し、その本質的な価値を正しく世界へ伝えていくことを、今後の経営の軸としてまいります。


D-matcha株式会社
創業者 兼 代表取締役
田中 大貴
2016年から湯船での茶業をするようになって、驚くのは地元の高齢者、特に元茶農家の健康寿命の高さです。85歳を超えてもなお、茶農家を辞めた後にも、野菜を現役で作り続け、周囲の人達との良く話、私も会話をする時に会話のペースの遅さを感じることはあまりありません。一番驚いたのは、御年87歳近い御爺さんが自身の屋根に上って屋根の修繕をしていたことです。元茶農家さん達の暮らしをみると、その健康寿命の高さ、さらにはエコな暮らしには学ぶことが多々あります。まず、茶業自体がそうなのですが、急斜面での作業になるので足腰、体幹を非常に鍛えます。それを10代から70代まで毎日こなしていたのでその筋力たるや素晴らしいものがあります。また、昔の日本家屋はそもそも卓袱台に畳に座るスタイルなので、これも足腰を鍛えます。風呂についても、今でも薪を割って湯を沸かしている人も多いため、薪割の作業も常に発生します。野菜も自給しており、雑草をとったり、耕したりと、これまた常に足腰を使います。それに加えて、特に元気な方々は毎朝ウォーキングをしています。全くボケることなく、今でも日本酒の一升瓶を開け、老人ホームに入ることもなく、快活に生活されていること、電気やぜいたく品以外はほぼ自給しているその姿に感銘を受けることが多いです。


















