日本茶における収穫の時期と品質について

TanakaDaiki

日本茶の品質を定義する場合、最も美味しいお茶は、新茶の時期、春に収穫されるものです。京都府和束町では、場所や年度によりますが、4月中旬から5月の中旬の時期を指します。この時期に収穫されたお茶は、新茶と呼ばれたり、一番茶と呼ばれたりします。抹茶の場合ですと、この新茶が点てる用の最高グレードに使用されますし、d:matchaの場合、提供する煎茶は全て1番茶を使用しています。 

なぜ、春の収穫、新茶は美味しいのでしょうか。

それは、大きく2つ理由があります。端的にいうと、春は栄養分が多い芽がでて、その栄養分を失わずに収穫することができるからです。

 まず、第一に茶の樹は、夏頃から秋頃の暖かい時期に土壌の養分をたくさん吸収します。この時期に質の高い有機肥料をしっかりと土に馴染ませて土づくりに投資することが旨味の強いお茶づくりにはとても大切です。驚くべきことに菜種油や魚粉、カキの貝殻、肉分、馬の爪、海藻などなど、香り高く、そのままでも食べれそうなものを土にまきます。d:matchaではこうした有機肥料に加えて、あんこ工場にあんこの製造粕をもらいにいき、畑にまいたりもしています。そしてお茶の樹は、冬場寒くなると休眠状態になり、葉の生育を止めます。そして、春先暖かくなってきたタイミングで、吸収された養分を十分に使用した新芽が成長するのです。したがって、新芽にはテアニンなどのアミノ酸をはじめとした栄養素がたくさん含まれます。 

 第二に、新芽に含まれるテアニンなどのアミノ酸をはじめとする栄養素が、朝霧や寒暖差によって消費されることなく葉に留まり易いことも起因します。茶葉に含まれるテアニンなどのアミノ酸は強い光に当たるとカフェインやカテキンといった渋み成分に変化していきます。しかし、京都府和束町のような谷がちで中央に川が流れているような地形では、春先にはたくさんの霧が発生します。この朝霧が所謂自然のカーテンのように陽の光を遮光しすることで、アミノ酸が芽にとどまり旨味の強いお茶ができます。また、京都府和束町のような高級茶の産地では、寒暖の差が非常に激しいため(例えば最低気温が3℃で最高気温が20℃近い日など春先や秋にはよくあります)、昼間に茶の樹がたくさん光合成をした作った栄養分を、夜は気温が低いので呼吸量が減り無駄に使用することなくとどめることができるため、旨味の強いお茶ができやすです。寒暖差は、茶だけに限らず、野菜など植物一般に適合します。したがって、京都府和束町の野菜は、甘味が強くて美味しいです。

 2番茶は、夏の強い太陽の光によってカフェインやカテキンの量が多くなり、1番茶に比べると渋み苦みの強い味わいになります。また、春先に栄養を使用しいるのでその観点からも1番茶よりも劣る品質となります。d:matchaでは、2番茶をラテ用の抹茶や焼き菓子など、牛乳や砂糖などと使用する商品に活用することが多いです。 

 秋は、秋碾茶や秋番茶などと呼ばれ、非常に安価なお茶へとなります。大規模に使用する用途(ペットボトルやお菓子など)にされることが多く、d:matchaの商品づくりでは使用することがありません。

 京都府宇治市にある手摘み用のお茶の畑や、京都府和束町湯船地区におけるd:matchaの無農薬栽培茶の畑では、1番茶のみを収穫し、2番茶、秋は収穫せずにしっかりと茶の樹を休ませて茶の樹の土台を形成するといった管理の方法もあります。

 1口に日本茶といっても、その種類や品質は様々で、そういった評価の仕組みをわかり易く構築することができれば、と考えております。特に海外向けに英語で発信しているソースは皆無に近く、現在、頑張って英語の本を執筆中です。

d:matcha 代表取締役 田中大貴

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和束茶について

TanakaDaiki

和束茶とは、京都府和束町で栽培される日本茶のことです。

和束茶を定義するうえで、和束産という出自を明確にすることは大事であるが、それだけでは不十分。あくまで、顧客目線で、品質と紐づく基準付けが大事です。和束茶は、お得に安く買えること、だけが価値にならないこと。和束で買う茶は本当に美味しい、と思って頂くことが何よりも大事。

産地だからこそ伝えることができる、最高品質の茶、作り方や作りてのストーリーなどそうしたうちだしが本質的に必要な要素だとdmatchaは考えています。 

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