d:matcha通信 2023年6月号
こんにちは!いつもd:matchaをご利用頂き、ありがとうございます。d:matchaニュースレターチームより畑や新開発の商品、スタッフの近況をご紹介していきます。どうぞ、ご愛読ください。
‐ 畑のこと (by Hiroki.A )
夏場の管理と一番茶の病害虫
今年は三月~四月にかけて温暖な気候が続き、桜の開花が非常に早く観測されました。新茶の収穫の時期も同様に例年よりも一週間程くスタートをきり、五月の後半には自社茶園の一番茶収穫時期が終わりを迎えようとしています。
今年度の一番茶を振り返ると、害虫が多かった様に思います。中でもカンザワハダニといわれる茶の代表的な害虫がの被害が多く、他の農家さんも非常困った様子でした。恐らく温暖な気候がカンザワハダニの活動のタイミングを早めたことに起因するかと思います。この害虫は主に茶葉の裏に住み着き、吸汁し生活しています。この食害が新芽に出ると、茶葉はまだらに淡色化し葉面の拡大と芽の伸長が鈍化します。収量はもちろん減少し、被害が多い畑の生葉は独特な甘酸っぱい香りがし、その製品の巣移植は赤みお帯びたものになることもあります。
この困った害虫はもちろん自社の無農薬栽培の茶園でも見られました。農薬を使ってないので例年見られるものですが、今年は多いように感じました。しかし、畑ごとに被害が異なり、ほとんど被害を受けていない畑もありました。その畑の多くは、去年の一番茶収穫後に深く剪定を行った畑で、剪定で切り落とされた古い葉とともに住みついていたカンザワハダニが取り除かれ、個体群密度が減少した結果ではないかと考えられます。害虫のほかにも、新梢枯死病、モチ病、輪斑病等の茶ノ木の病気も圧倒的に少なく、夏場の管理の大切さを実感しました。
図)カンザワハダニの被害
‐ Matcha beauty recipe No.13 (by Natsuki)
抹茶を気軽に取り入れてもらいたい!そんな思いから、日常で取り入れることができる抹茶レシピを開発しています。
第13回目は、抹茶ではありませんが、摘みたて生葉を使って、簡単にお茶を作って飲んでいただける”炒りたて茶”をご紹介します。
ご自宅に七輪があれば外でも楽しめますよ〜
<材料>
摘んだ生葉、ハーブ
・ローズマリー
・オレガノ
・タイム
・バジル
・茶の葉
その他家庭菜園されているハーブ、お好みの葉を使用してもOKです。
<作り方>
下準備:キッチンコンロでも簡単に作れますが、せっかくなら炭火で挑戦。
着火剤を使用して炭に火を起こしましょう。
1.茶を炒るのに便利な焙烙で生葉を炒ります。
2.すぐにいい香りが立ってきますので、香りが出てきたら沸騰した湯を注ぎます。
3. 3分くらいするとしっかりと味が出てきます。
4. 3煎ほど楽しめます。
【炭火でお茶会 感想】
・炭を使用したら料理が美味しくなると言われていますが、お茶も一緒でした。
炭で生葉を炒る。炭でお湯を沸かす。全くえぐみが感じられないのです。
まろやかなお茶がいくらでも楽しめます。
葉を炒る時間や煮出す時間を変えるだけでも味わいが変化するので、面白く、お茶を囲んだ会話も盛り上がります。
お茶という飲み物は茶の葉がないと茶ができないのかと思われるかもしれませんが、どんな葉でも飲みものになります。個人的には、ローズマリーを多めに入れたブレンドがとっても香りがよく、気に入りました。
この時期、BBQを外でされる機会があると思いますが、肉や魚を焼いてビールで乾杯だけではなく、炭火でお茶会はいかがでしょう。
- 皆様の好きな味を選ぶ(by Seiya.H)
普段私の勤務内容は、畑仕事とお茶のパッキングが多いのですが、最近は店舗での接客業務も増えてきました。私の場合はアメリカで20年近く生まれ育った為、そこで生まれつき身に着けた英語を活かし、海外からいらっしゃるお客様に抹茶を点て方を教えたり、複数の品種の抹茶の飲み比べ体験も行っています。
同じ抹茶でも、品種によって味が大きく異なり、皆様の好みも異なります。渋くて苦めの品種もあれば、旨味や甘味が出やすい品種もあります。d:matcha では現在飲み比べの体験では3品種準備してますが、店内では12品種の抹茶を販売しており。お客様の中には飲み比べで飲まなかった新しい抹茶を飲んでみたいというリクエストもありました。お客様の好みを私もその場で聞いて、後は自分の感覚で抹茶を選んで点てます。自分が選んだオススメがお客様に喜んで頂くと非常に嬉しいですし、安心感も感じます。
時に私はお買い物されるお客様にそれぞれの抹茶の品種の違いをその場で聞かれ私ながらではの感想を伝えたり、お客様が好きそう、興味がありそうなお茶を瞬時に察して選んでみようと心がけています。中にはオンラインで友人や家族からからオススメのお茶を聞かれる事もあるので、友人らと会話をしながら彼らが好きそうなお茶を好みに合わせて選んだりします。
皆様に喜んで頂けると良いなとドキドキしつつ、実際に喜んで頂けるのが私にとっては非常に嬉しいです。
(濃厚で独特な香り、抹茶を飲み慣れてる方には、こちらの『うじみどり』をオススメします)
- d-matcha 抹茶ガトーショコラ(by Ko)
チョコレートケーキの定番、ガトーショコラです。
発祥は1700年代のフランスまで遡ります。ガトーショコラという名はフランス語で、直訳すると「焼いたチョコレート菓子」という意味です。
ガトーショコラとブラウニーの違いとは?
大きな違いは、 卵の使い方と薄力粉の割合、 卵の使い方です。
【ガトーショコラ】
全卵をスポンジのように泡立てる、もしくは卵白でメレンゲを作るため、濃厚ながらふんわりしっとりに仕上がるのが特徴です。
【ブラウニー】
全卵を生地に混ぜ込むため、ケーキとクッキーの中間くらいの食感で目が詰まってしっとり仕上がります。
薄力粉の割合はガトーショコラの方が薄力粉は少なめです。
- シェアハウスでの暮らし (by Hiromi)
4月中旬~7月末くらいまで、お茶のまち和束は農繁期。茶農家さんは朝から晩まで毎日大忙しです。この時期はどこの農家さんも人手不足なので、期間限定で農業アルバイト(援農)を雇います。毎年、この時期は新茶を目当てに観光客がたくさん訪れると共に、こういった援農者も増えるため、町がとても賑やかになります。援農アルバイトは農家さん家の離れや、町内の空き家に数人で住み込みます。我が家もそんな援農アルバイトを受け入れる、シェアハウスになります。
シェアハウスにやって来る人たちの背景は様々。農業に興味関心がある人や、仕事を辞めて次のステージについてゆっくり考えたい人、全国各地で農繁期の農作業を手伝いながら旅をする人、などなど。住む人によってシェアハウスの雰囲気が毎回異なり、仕事終わりに共有スペースで毎日団欒する年があれば、各自個室で思い思いに過ごす年もあります。今年はどんな人が来てどんな雰囲気になるのか、春先はいつもドキドキします。
今年は3名の女性と同居しているのですが、みなさん自律しておりいつもさり気ない気遣いをしてくださるので、管理人としてはとても助かっています。そして珍しくお茶好きの方が2人いるので、様々な種類のお茶を淹れたり淹れてもらったりしながら、よくお茶談義をしています。そのため、洗い場の水きりカゴが毎日茶葉でいっぱいになります。これも今年ならではのエピソードですね。
色んな方と住んでいると、トラブルも起きます。居住者が増えたので汲み取り式トイレのタンクがいっぱいになり、業者さんに来てもらうまでトイレが使えなかったことがありました。また玄関前に蛇がいるの見かけたと聞き、慌てて家の前の草刈りをしたこともありました。些細なことですが、田舎ならではの少し不便な暮らしを身をもって体感してもらっていると思います。また仕事が合わなくて悩んだり、反対に楽しくて契約期間を延長したりと毎年色んなドラマがあり、小説が書けそうです。
和束町と町に住む人々、そしてお茶のことを好きになってくれたらと願いながら、共に暮らしています。
(写真について)庭の梅が、今年は大豊作でした!少し早いですが梅雨入りの前に収穫し、酵素ジュースにしようと思います。この時期は普段の仕事に加え、お茶刈りに碾茶工場の手伝いにと忙しいですが、やりたい手仕事がたくさんあります。今年は梅干をたくさん漬けたいと思います。
普段の食事は各自で自炊し時間帯もバラバラなのですが、一度は全員で集まっての食事会を企画しています。この日は町内にある日替わり店長のカフェで、ピザをテイクアウトしました。
- d:matcha創業物語22 ~d:matchaと手作り市(by Misato.T)
2018年は創業2年目。どんなブランドも同じだと思いますが、初期の顧客獲得には非常に苦労します。d:matchaの知名度は低く、わざわざd:matchaを目指して和束町まで来てくれるお客様は非常に少ないので、都心やイベントに出かけ、催事販売を積極的に行いました。
2018年は通称「手作り市」と呼ばれる、月に1回程度で行われる地方のイベントに毎月参加しました。「手作り市」はファーマーズマーケットのような小規模なイベントで、農産物や食品だけでなく、日用品や雑貨まで幅広い商品が集まります。出店者は小規模な事業者が多く、自分達が作った商品を販売するケースが多いことから「手作り市」と呼ばれています。
特に京都は、上賀茂、百万遍、平安神宮など、いたるところで手作り市が開催されていて、観光客から毎月通うコアなファンまで大勢のお客様で賑わいます。
手作り市の良さは、誰でも気軽に出店できることです。ハガキで簡単に応募でき、レンタル料を払えば、陳列台を借りることもできます。
中でも有名なのは、百万遍知恩寺で行われる手作り市です。1987年に、「素人さんが作った手作りの作品を発表する場」として始まった百万遍の手づくり市は、まさに手作り市ブームの先駆けと言われています。毎回500店もの出店者が集まる大きな手作り市で、当日の朝は、良い出店場所を取るために、出店者が朝5時半頃から知恩寺の前に列を作ります。
百万遍の手作り市に参加するときは、毎回和束町を朝4時半頃に出発しないといけないので大変でした。ただ、百万遍の手作り市は来客数が多く、よく売れます。
手作り市では、出店者とお客様との距離が近く、会話をしながらゆったりと販売できます。気に入ってくれると、毎回d:matchaに来てくれる常連のお客様も獲得できます。
創業する前は、デパートやエキナカでの出店も誰でも簡単にできるだろうと思っていましたが、創業後に知ったのは、デパートやエキナカでの出店は非常にハードルが高いということ。実績の無いブランドは門前払いされ、出店はかないません。
D:matchaも、創業当初は手作り市のような小規模なイベントに参加する中で、販売のノウハウを磨いていったのでした。2018年は毎月1~2回のペースでこういった手作り市に参加していました。
自分達の商品を自分達の手で売ることで、どうやったら商品が売れるかということを考え、工夫し改善していくことができます。その姿勢は今も変わりません。モノを売るということは非常に奥が深い世界です。
百万遍の手作り市はこんなにたくさんのお店とお客様が集まります。↑
これは上賀茂神社の手作り市。大学生インターン生が販売を手伝ってくれました。↑
これは京都市営地下鉄のクリスマス手作り市に参加したときのもの↑