和束の地域ブランドとGI認証 ~2022年3月〜

田中美里

2025年の大阪万博に向けた地域ブランド重点地域として、"和束茶”が経済産業省近畿経済産業局に認定され地域の中から9業者が選ばれどういった地域ブランドを目指していくかの議論を行って参りました。 

この9業者のバランスが絶妙で、小売を行っている業者からオーガニック栽培中心の業者、そして宇治茶の原料としての和束茶を栽培している茶農家と多種多様なプレイヤーが選ばれています。立場やビジネスの違いが大きいので、例えば和束茶というWordを押していくこと自体に消極的な生産者も多くいることが事実ですし、宇治茶vs和束茶という構図にしたくないという意見がたくさんでたことも印象的でした。 

ただ共通して皆、和束への愛に溢れ、良いお茶を作り届けたい、というお茶好きの集まりだということが改めて良く分かりましたし、この個性と主張の違いを尊重する風土がやはり良いと私自身感じました。 

一方で、地域全体に中長期に効果をもたらす施策としてのGI認証に強い興味を持ちました。簡単に言えば、和束茶の定義を地域で定め、その基準を満たしたものを和束茶として国に認証をもらい、その認証は貿易協定を結んだ国にも自動的に適用されるという非常に強い権利です。日本だと神戸ビーフ、世界ではフランスのワイン等がとても有名です。

グローバル化が進む中、和束産の高品質なお茶が証明をもって世界にも紹介できるという状態は、京都が培ってきたお茶の歴史にも必ずプラスに貢献すると信じていますし、その取組を絶対に進めていきたいと考えています。

代表取締役 田中大貴