こんにちは!いつもd:matchaをご利用頂き、ありがとうございます。d:matchaニュースレターチームより畑や新開発の商品、スタッフの近況をご紹介していきます。どうぞ、ご愛読ください。

 

畑のこと (by Hiroki.A )

 二番茶って?

一番茶とはどのようなものなの既知の方も多くおられると思います。Googleで検索すると、「その年で一番最初に収穫されたもの」や「四月から五月にかけて収穫されたもの」と記載されていることが多いようです。しかし二番茶となるとどんなものかはっきりと答えらる人も多くはいません。なので今回は二番茶について掘り下げていきたいと思います。

 二番茶を説明する前に一番茶の定義を定めておきます。私の主観が混じるところもあると思いますが一番茶の定義は「冬場の休眠期間を越え、春に伸張した前年枝由来の定芽(頂芽及び腋芽)を収穫したもの」。これに対して二番茶の定義は「一番茶収穫後、伸張してきた、当年枝由来の定芽および当年枝基部から分化した不定芽および前年枝の不定芽を収穫したもの」となります。

各種の芽は伸張する優先順位が異なり、一番茶の定芽>一番茶基部の不定芽>前年支の不定芽となっていて、上位のものが伸張している状態では下位の芽は動かないことから、番茶がりの深さが二番茶の芽の種類の相観を決定しています。一番茶後の番茶がりが中途半端な高さだったり不均一な高さだと様々な芽のがまばらに伸張してきてしまい収量、品質を低下させることもあります。

 

  

 

‐旬のスイーツ便り<8月> (by Natsuki)

「抹茶好きに贈る、抹茶好きのための抹茶アイスケーキを作りたい。」この夏の目玉商品としてこれでもかというくらいの自家製抹茶を使用した抹茶アイスケーキが誕生しました。

このケーキ、完成までに今までの商品開発以上に試作を重ね頭を悩ませました。最初は抹茶だけでは単調なので中央にベリーソースを入れて味の変化をつけたり、アイスとして食べると想像していた抹茶味と違ったりと作れば作るたびに課題が山積みになっていきました。悩んだ時に、原点に戻ると答えが見えてきました。私たちが目指すのは、ケーキ屋さんが作る抹茶ケーキでなく、お茶農家が作る抹茶ケーキだといういうこと。このケーキを前にして抹茶loverのみなさんが“ワクワク”するもの。私たちが出した答えは、抹茶の美味しさを前面に出るように、形を変えた抹茶のパーツたちをつなぎ合わせることでした。

濃度別抹茶クリーム、抹茶チョコ、抹茶クリーム、抹茶アイス。上から下まで抹茶の味わいを楽しみ尽くせる構成に決定。特に1番上の濃度別抹茶クリームは和束町の茶畑が伝わるように濃淡をつけた抹茶クリームに仕上げました。

一つ一つ手作りなので非常に手間がかかります。それでも抹茶好きの皆様に喜んで頂きたい一心で完成させました。お茶農家が贈る、この夏軍新の抹茶スイーツに恋してください♪

- 水出し煎茶の魅力(by Chisei.T)

 

    

同じお茶でも水で抽出した場合、お湯で抽出した場合で味わいや成分が異なるのはご存知でしょうか。結論から言いますと、低い温度で抽出したお茶は苦味や渋味を抑えられます。

図1は横軸が温度を縦軸は抽出率を表しています。青線がテアニン等のアミノ酸(旨味)、赤線がカフェイン(苦味)、緑軸がカテキン(渋味)を示しています。低温で抽出した場合、青い線、つまり旨味が相対的に多く抽出され、逆に熱湯で抽出すると全部抽出されてしまうことがわかるかと思います。

そのため水で煎れると、お湯よりもまろやかな風味になるのです。また、甘みの成分である「テアニン」も温かい緑茶よりも水出しのほうが残りやすいと言われています。まろやかな甘さを感じたいという方、渋味を抑えたすっきりとしたお茶を飲みたい方、カフェインがあまり強くない方は水出しすることをおすすめします。

dmatchaでは複数種の茶をブレンドすることによって味わいの深みや香りを楽しんで頂けるようにしています。この暑い夏を水出しのお煎茶で乗り越えましょう。作り方はHPにて記載しておりますのでそちらをご覧ください!

 

- 夏に熱いお茶を飲む(by Ryhan)

 夏の大きなイベントにはお祭りと花火大会が有名ですが、私からは皆さんへ夏の面白い俳句をご紹介します。石川桂郎さんの”土用太郎一日熱き茶でとほす”土用は、四季それぞれにあり、暦の上では春夏秋冬の各季節の最後の18日間をいいます。俳句では、毎年最も暑く、農作業の大事な時期となる夏の土用を指します。また、一般的に土用といえば夏の土用を指します。土用の入りを土用太郎、続いて次郎、三郎と呼び、土用三郎の日の天気によって農耕の吉凶を占う風習がありました。この句では、土用の入りの日は例年暑いので、逆に熱いお茶を飲んで過ごしてやれと言っているのです。

東南アジアで生まれ育った私は、長い一日の終わりには冷たいものではなく、温かい紅茶をよく欲しがっていました。火照るように暑い日や一日中外にいた日でさえも飲んでいました。ある時この俳句に出会ったあるときには、とても共感しました。日本とシンガポールの環境が違えど、共通して見られる習慣や癖があるのだということに安心しました。昔の方はさらにこれからやってくる厳しい暑さを乗り越えるために準備する心構えとして心に止めていたのかもしれません。
今年の夏も暑くなりますが、1日の終わりに温かいお茶を飲んで過ごしてみませんか。


 

-急須で飲むお茶,ペットボトルで飲むお茶(by Azusa.U)

 

 7月上旬にd:matcha本店がある和束町の町長さんが店舗にいらっしゃいました。そこで町長が興味深いことを仰っていました。
宇治茶の主産地である和束町の町長さん曰はく「ペットボトルのお茶と急須のお茶の違いはなんだとおもう?それは心まで潤してくれるかやで」

なぜ急須で飲むお茶はおいしいのでしょうか?この違いを2つ紹介したいと思います。
まず一つ目は栄養成分が違います。急須で淹れたお茶のうまみ成分は5倍もの違いがあり,ポリフェノール量は1.4倍,カテキン量は2.5倍もの違いがあるそうです。
2つ目は茶の品質が違います。急須で飲むお茶は5月に収穫された1番茶がほとんどです。逆にペットボトルのお茶は,1番茶の収穫が終わった後の3番茶や秋番茶と呼ばれるものが使われます。そのため急須で飲むお茶は新茶らしいフレッシュな香りと味を楽しめます。
是非,おうち時間が増えた今急須でお茶を淹れて一息ついてみてください。また煎茶にはリラックス効果をもたらすテアニンが含まれています。きっと皆さんの心まで潤してくれます。

 

親子で結ばれた麺の世界(by Seiya.H)

 

d:matcha和束町本店では、今月から自家栽培茶をたっぷりと練りこんだ自家製麺の製造を始めています。(じきにオンラインショップでも販売開始する予定です)僕はこの自家製麺の製造担当に抜擢されました。
実は、全くの偶然ですが、私の故郷であるアメリカで、私の父も自家製麺づくりを行っています。

私の父は7年前にアメリカで自家製麺をゼロから作りました。最初に作ったのはラーメンで、卵を一切使わない、卵アレルギーの人でも食べれる美味しいラーメン作りを目標に掲げていました。父は現在もアメリカでいろんな種類の自家製麺に挑戦し、進化を続けています。
私も父の影響を受け、実家では麺づくりの手伝いを行っていたのですが、現在ではなんとd:matchaで麺づくりを行う機会を得ました。
d:matchaの麺は、玄米粉とお茶を使ったヘルシーなパスタ、タンタン麺、そして抹茶とそば粉で作った抹茶蕎麦です。口に入れるとお茶の香りが口いっぱいに広がります。

僕も私の父も最初は麺づくりをするとは思ってもみませんでした。二人に共通していたのは、食べ物を通じて周りの人に笑顔を届けようとする心です。親子で1から製麺の勉強をして、「麺」という、幸せを運ぶ食べ物を作るのはやりがいがあります。

日本とアメリカ、離れていても、家族の絆は何かしらの見えない糸(私の場合は麺)で結ばれているものですね。まだまだ新しい製麺機で試行錯誤を繰り返している最中ですが、これからもいろんな製麺に挑戦し、d:matchaらしい茶麺の幅を広げて行くのが、私の夢です。

 

- 新規就農とお茶②(by Misato.T)

 

 

先月から、新規就農者から見た茶栽培の難しさや課題について考えています。お茶の農業経営の難しさの一つは、季節による繁忙度の差が非常に大きいことです。
お茶は和束町では年に3回収穫できますが、春に収穫する一番茶のシーズンが最も忙しく、その忙しさは尋常ではありません。
新茶の時期、農家は朝に収穫した茶を工場で加工し、荒茶を作ります。荒茶ができるころには日が沈み、工場の掃除も含めると時には深夜になることも。新茶を収穫するベストな時期(摘採期)は待ってくれませんので、農家は連日休みなしで働き、人手が不足するので季節労働者を住み込みで受け入れたりすることもあります。この時期の農家さんは目の下にクマができ、痩せこけていきます。


春を過ぎ、夏・秋にかけては二番茶・三番茶の収穫や茶園の管理で仕事がありますが、一方で冬になるとそれほど多くの仕事はありません。そのため、昔から茶農家は冬は出稼ぎや、しめ縄づくりなどを行うことで、収入を立てていました。
この繁忙度の大きさは非常に厄介な問題です。通年で忙しければ人を雇い、新茶のシーズンの繁忙度に耐えられるだけの人数を抱えるのですが、季節性が大きいのでそういう訳にはいきません。茶の栽培の手伝いができるような季節労働者を運よく見つけるか、冬の副業を考えなければ、収支が合わないのです。d:matchaの場合は、冬の催事販売や菓子製造がそれに当たります。茶の新規就農者は、この季節性に向き合うことが重要です。

 

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d:matcha Kyoto CEO newsletter- August/2021


- 和束茶は、その茶農家を語る-

 先般、常連様をお招きし、和束茶の若手農家5軒の「やぶきた」品種に限定した煎茶の飲み比べを行いました。遡ること2月、和束茶若手農家で集まって議論した際にでてきたのは、「やっぱり最終的にはやぶきた品種に、いきつく」「色んな要素で味わいは変わるが、つくり手が最も大きい変数」といった意見から、この和束茶若手農家別飲み比べの企画が立ち上がりました。他農家からd:matchaが仕入れる形式を取りましたが、予算を決めて単価、量は各農家さんに決めてもらう、というユニークな形式。 

 味わいの差は、想像以上に大きかったです。どれも美味しいのですが、その美味しいの定義が随分と違う。その農家の方針を色濃く反映するのが「やぶきた」非常に上品で纏まりのある茶、旨味香りがわかり易い茶、とにかく自然由来の味に拘った茶など。

 私自身同じ品種の作り手別和束茶の飲み比べはしたことがなかったので、比較をすることで改めてd:matchaの、土地や地形の違いを尊重し、とにかく若い芽を収穫する、という方針もお茶に表れている、と、感じしました。 

 お茶を嗜好品として、既成概念に囚われず、これからも多様な楽しみ方をお客様としていきたいと改めて考えました。

代表取締役 田中大貴