d:matcha通信 2021年1月号
こんにちは!いつもd:matchaをご利用頂き、ありがとうございます。d:matchaニュースレターチームより畑や新開発の商品、スタッフの近況をご紹介していきます。どうぞ、ご愛読ください。
d:matchaの畑のこと (by Hiroki.A )
お茶の肥料について
お茶の栽培において有機質の肥料が適していることは、これまで何度も題材にしてきましたが、実際に土壌中の物質の動きを視覚化することは難しく、実際にどのように茶に吸収され製品にどのように寄与しているかを確認することは難しいです。
土壌中の物質は基本的に無機化され茶の木に利用されますが、時に無機化された物質は土壌微生物の働きにより有機化することもあります。茶園に導入された肥料は有機形態と無機形態を行き来し、徐々に茶に吸収されていくことは、肥料分の流亡を防ぎ、茶の根に負担をかけないために非常に有効です。そのため土壌生物の多様性は茶の栽培において重要です。茶の肥培管理を有機肥料を主として行うことで、そういった環境作りが自動的に行われていると考えています。
有機肥料主体の肥培管理は、時に土壌生物にも恩恵をもたらします。自社の茶園には多くのミミズが生息しています。これらの土壌生物は土壌中の孔隙を増加させ物理性を高めます。これらの生物的要素は茶園の土壌づくりに重要なので、日頃から意識しており、和束町の自然の豊かさを日々感じております。
図)茶園の畝間から出てきた巨大ミミズ
-d:matchaスタッフの習い事のその後(by Natsuki)
茶道に通い始めてからもうすぐ2年が経ちます。月に三回通いますが、お茶を一服点てるということだけなのに、季節が変わると茶室のしつらえ、手順や使用道具が変わったりと毎回学ぶことばかりです。
2年経って気づいたことは、茶道が自分の心のバロメーターになっているということです。お稽古の中で、その時の自分の心を映し出しているようにお茶を点てる所作にそれが現れてしまいます。何か他ごとを考えてしまってお茶を点てているときは、手順を間違えてしまったり、所作が美しくなかったり、集中できておらず心が乱れているのがわかります。逆に自分の心が平穏で安定していると手が道具に馴染んでくれて動きに迷いがなく、先生に褒めていただいたりします。ただお茶を点てる手順を覚えることはさほど難しいことではないかもしれないですが、そこに心が入っていなかったりすると美味しさは半減するかもしれません。
ただ、お茶を一服点てるということだけかもしれないのですが、その一服のために全集中をしてお客様をおもてなしすることに尽きる。集中力が乱れるうちはまだまだ修行が足りないということですね。これからも茶道に通いながら心を鍛えていきたいと思います。
2021年も心を込めて丁寧にお茶を淹れさせていただきます。d:matcha和束町本店でお待ちしております。
※写真は先生自作の上生菓子
- 持続可能な農業を目指して(by Chisei.T)
兼ねてから茶殻を利用したウコン栽培を行ってきましたが、とうとう収穫のタイミングを迎えました。今年は夏というウコンの栽培としては遅い時期からの本格的に茶殻を与えたというのもあり、根茎(ウコンの可食部)の収量を多くすることはできませんでしたが、収穫自体は無事できました。
後は乾燥させてパウダーにして、d:matcha本店のカレーの原料として使用します。
今年、茶殻ウコン栽培実験が成功したものの、まだ店内提供のカレーを賄えるほどのウコンを確保はできないので、来年の目標は店内提供分のウコンを収穫することになります。
3枚目:スライスしたウコン、4枚目:カフェで食べられるカレー
ー初釜(はつがま)(by Saki.N)
お正月のお茶と言えば1年の健康、幸福を祈願して大福茶をいただきますが、お正月が終わった頃の1月10日頃に開催されることが多いのが初釜という行事です。初釜とは、正月を迎えたことを祝って、新年に初めて釜をかけることいいます。茶道においては、毎年の行事の1つでもあり茶道の新年会のような意味合いも含まれているそうです。
初釜の主菓子は流派によって異なりますが表千家は常盤饅頭、裏千家は花びら餅(左写真)となっております。新年最初の行事ということもあり新春を感じさせるような鮮やかな色合い、正月の華やかさを表すようなお菓子が使われます。
花びら餅は正月にいただく伝統的なお菓子の1つでもあり1月を代表する上生菓子の1つでもあります。白い丸餅の上に赤い小豆汁で染めた菱形の薄い餅を重ね、その上に白味噌の餡、甘く煮たふくさ牛蒡をのせて、半月型に包んだものです。
花びら餅は宮中のおせちにも使われていたこともありごぼうは土に根を張ることから、家の基礎がしっかりしている、長寿を願う意味が込められているそうです。
- 真冬の温かいお茶(by Ryhan)
私は、1年を通して暖かく太陽が眩しいシンガポールからやってきましたが、日本の生活を通して、最近では日本の四季の移り変わりのサインを感じています。例えば、冬がやってたという知らせの、12月21日、冬至の日が一例です。
冬至は日本では一年を通してもっとも昼間が短い日を意味したり、邪気を払ったり、風邪予防を期待するために伝統行事として柚子湯に入る習慣があると知り、こういう行事があると冬がやってきたという実感が湧いてきました。
そんな寒くなってきた和束で茶の仕事をしていると、葛飾北斎先生の浮世絵版画を思い浮かべることがあります。北斎先生の有名な作品でいうと富嶽三十六景のダイナミックな波の絵の”神奈川沖波裏”ですが、左の写真の”礫川雪ノ旦”も同じくらい印象に残る作品です。
この写真は雪が積もった富士山の美しい景色を山の斜面に位置させた茶の間から皆で眺めています。和束では、もうすでに-3°まで下がり寒さが本格的になってきました。この北斎先生が描いた版画のように、和束の寒さの中でもd:matchaの茶の間から和束の美しい景観を楽しんでいただける新年にしたいと思っています。(12月には新しい外テラスが完成しました!そこから見える釜塚山は絶景です)
-お正月のお茶選び(by Misato.T)
新しい年を迎えるお正月、皆さんのご家庭ではどんなお茶を飲まれるでしょうか?
いつもよりもちょっとお値段のはる良いグレードのお茶を飲んで、フレッシュな気持ちでお正月の食卓を囲むのもおすすめです。高級茶である「玉露」や、「抹茶」もいつもよりも良いランクのものを使うと気が引き締まります。
京都では「大福茶」と呼ばれる縁起の良いお茶を飲む習慣があります。大福茶とは一般的に、煎茶に昆布や梅干を入れて楽しむお茶です。その昔、平安時代中期(西暦951年)に京都で疫病が流行した時に、京都六波羅蜜寺の空也上人が民衆にこのお茶を配ったところ、疫病がおさまったというエピソードがあります。煎茶の健康成分に、梅干のクエン酸や昆布のアミノ酸成分などが加わって、栄養成分が強化されるのでしょう。また、梅干は「皺が寄るまで」ということで長寿の意味が、昆布は「よろこぶ=喜ぶ」という意味があって共に縁起のよい食べ物です。昔の人も、お茶に他の食べ物を混ぜて組み合わせを研究していたのですね。
皆さんも季節に合わせたお茶を楽しんではいかがでしょうか。
- d:matchaのこと(by Daiki.T)
2020年12月、ついにd:matchaの和束町本店の駐車場部分に外のテラス席を作りました。テラス席を作るさいに、キーワードとなったのが、”可動”性。和束は春から秋にかけては季節がとても良く外での滞在がとても気持ちの良い季節ですが、冬は大変寒くとてもではないですが外にいれません。また、春の土日はお車でのお客様が多いので、限られた駐車場スペースを使用することにも抵抗がありました。そこで、作ったのが動くカウンター席。普段は収納することができ、席として使用する場合には動かして使用することができます。屋根には屋外用のテントをはってあるので、陽よけにもなりますし、雨も防ぐことができます。
窓すら遮るもののない席でみる、釜塚山の茶畑や目の前の田んぼは大変に美しいです。和束町本店で皆さまをお待ちしております!
格納時 使用時
代表取締役 田中大貴