こんにちは!いつもd:matchaをご利用頂き、ありがとうございます。d:matchaニュースレターチームより畑や新開発の商品、スタッフの近況をご紹介していきます。どうぞ、ご愛読ください。

‐ 畑のこと (by Hiroki.A )

秋番 

秋番とは秋季に剪定及び収穫される芽のことをいいます。一般的に機械刈りを用いる茶の生産方法では、新芽と新芽を支持する成熟した枝葉を隔てる刈り面を滑らかに整える必要があり、この作業を番茶刈りといいます。番茶刈りを行うことで茶園の表面は滑らかに整えられ、表面付近から伸長する新芽のみを刈り取ることで古い葉や枝を含むことなく収穫することができます。この番茶刈りは収穫準備として収穫の前には必ず行われていて、秋番刈りは来年の一番茶の品質、収量の影響を与える重要な作業の一つです。

 秋番をどの様に剪定するかは主に二つあります、一つは収穫せずに剪定機で畑に刈りほかす(刈り捨てる)か茶刈り機(収穫機)によって収穫されます。前者は作業にかかる時間が少なく省力化できることが利点ですがあまりに多くの有機物を茶園内に導入することになるので有機層が厚くなり施肥の効果を軽減してしまう弊害が起こることがあります。後者は作業に多くの時間がかかりますが、有機物の導入を抑えたり、収穫した番茶を収益化することができる利点があります。自社の茶園の多くでは収穫によって秋番を剪定しています。湯船の様な山間の地域では地温が上がりにくく有機物の分解が遅く蓄積率が高いので収穫することの重要性は高いです。収穫された秋番はお付き合いの深い工場に生葉として売りに行きます。一番茶や二番茶の様に作業に追われることも少なく涼しい季節なので比較的余裕のある作業です。

 

図)上:収穫前、下:収穫後


 

 

‐ Matcha beauty recipe No.17 (by Natsuki)

抹茶を気軽に取り入れてもらいたい!そんな思いから、日常で取り入れることができる抹茶レシピを開発しています。

第17回目は、”黒蜜抹茶ラテ”。


こちらはdmatcha 札幌店で新ドリンクメニューとして提供中!美味しい北海道の町村農場の牛乳を使用したドリンクです。

【黒蜜抹茶ラテ】

・抹茶    4g

・牛乳 150ml

・黒蜜 大さじ2

・氷 6-7個

・水30cc(抹茶ペースト用)

1.抹茶を茶漉しでこして水を加え茶せんで混ぜる。

2.コップに氷をカップ8割分入れる。

3.黒蜜を1番上の氷にそわせるように流す。

4.牛乳を注ぐ。

5.抹茶ペーストを注ぐ。

 

【ポイント】

カフェのように美しく黒蜜と抹茶をブレンドするには、氷の量がポイントです。氷は多めに入れて黒蜜や抹茶を加えるときは氷の上にかけるようにすると綺麗に混ざります。特に抹茶を加えるときは優しくかけると綺麗な二層の抹茶ラテに仕上がります。

ラテの上にあんこや白玉を載せたら、カフェに出てくるような抹茶ラテの出来上がり!秋の抹茶ラテを楽しんでください。

 

 

 

 

オンラインで茶道教室(by Seiya.H)

私は2019年までは毎月茶道のお稽古に通ってましたが、2020年の新型コロナウイルス流行により、お稽古を数年お休みしていました。ここ数年では一部の茶道のお稽古はZOOM等、オンラインで行われるようになりました。

私も知り合いのオンライン茶道教室を覗かせていただきました。基本的にはオンラインでは空点前(からでまえ)と言って、お湯、お茶を一切使用せず、身近にあるもので道具代わりに補う状態です。

実際に茶室でやるお稽古と、画面越しで見るのと大きな違いがあり、オンラインだと皆んなで一緒に抹茶や和菓子を楽しんだり、先生のお道具を実際にお稽古で使用する事はできませんが、オンラインながらではの良さがいくつかありました。

一つ目は、カメラワークの力で手先などをよりしっかりと確認できることです。普段ですと先生が細かい手先を指導する時遠くからだと見えにくいこともありますが、カメラだとズーム機能とかを生かしてより細かく先生の指導が見れる楽しみがありました。二つ目は、実際にお茶を飲む必要は必ずしも無いので、カフェインを控えている方でも茶道を楽しみやすいメリットがあります。

今では茶室に通って稽古を行なうスタイルに戻りつつありますが、オンライン稽古にもオンラインながらはでの魅力もあるので、両方体験してみると楽しいと思います。

 

 

 

 

 

- 移住促進イベントでお話してきました! (by Hiromi)

9月初旬、東京都内で開催された「京都ファンミーティング ~京都暮らしへ誘う、ミニ茶会へおいでやす~」というイベントに、ゲストとして参加させていただきました。このイベントは、京都への移住相談の窓口をされている、京都移住コンシェルジュの方が企画されたものになります。過疎化が進む京都の地方の魅力を知ってもらいたいと、京都北部を「海の京都」、中部を「森の京都」、そして南部を「お茶の京都」としてざっくりと分類し、各地域での暮らしの魅力をPRされています。

今回は「お茶のある暮らし」がテーマということで、精華町のサムライ茶人・岩本博義さんがお茶についての説明と、フレアバーテンダーの圧巻のパフォーマンスを取り入れた呈茶と茶歌舞伎を実施して下さいました。そして私はD-matchaでの仕事やシェアハウスでの暮らし、援農のことなど、味わう以外にもお茶が身近にある暮らしについてお話してきました。

 

茶処ならではのお茶のある暮らしとは…①茶畑がすぐ側にある。産地のため言わずもがなですが、和束ならでは特徴として、民家のすぐ側に茶畑や茶工場があり、その景観からお茶がまさしく生業として感じられることが上げられます。茶刈り機の音や茶工場から漂うお茶の香りなど、視覚以外にも五感で感じることができます。②茶農家さんとの距離が近い。いつの間にか何軒もの茶農家さんと知り合いになります。手摘み・手揉みのお茶作りを教わったり、一軒の農家さんにつき何種類ものお茶を飲ませていただいたり、お茶の栽培や特徴、歴史などを伺ったりと、自然とお茶の話をたくさんするようになります。便宜上、「和束茶」「宇治茶」などひとまとめにしますが、個々の農家さんにこだわりと思いがあり、その個性がお茶に出ることがよくわかります。③お茶に関わる様々な仕事がある。畑では機械を使ってのお茶刈り、ネット掛け、草引き、肥料やりなど。茶工場では機械に茶葉が詰まらないかを点検したり、大量の茶葉を“たて”と呼ばれる大きな紙袋につめたりします。加工後も茶葉を裁断したり粉末にしたりと手を加え、最終的に袋詰めを行いお店に並べられます。…等々、写真をお見せしながらお話させていただきました。

私は偶然にもご縁をいただいて和束に住み始めたのですが、決め手となったのは美しい景観と、町の人たちのあたたかな人柄でした。当時はまだ社会のことをほとんど知らない若者でしたが、何かあったら頼ろうと思える方が何人もいたことが、大変心強かったです。

イベント終了後には、ぜひ和束に行ってみたいとの感想をいただけたのが嬉しく、貴重な機会をいただきました。また機会があれば参加したいと思っているので、いつか皆様にもお目にかかれますと嬉しいです。

 

 

 

 

 

- d:matcha創業物語26~ d:matcha出町柳店(by Misato.T)

 

2019年7月に国内2号店が京都・出町柳にオープンしました。店名の「d:matcha kyoto CAFE & PICNIC」とあるように、抹茶または煎茶ピクニックセットの貸出サービスを行うなど、京都の鴨川沿いのロケーションを生かしたお店となりました。

店内は席数はカウンターをメインとした4~6席ほどの小さな区画ですが、お茶の飲み比べ体験といった本格的な体験メニューも充実していました。残念ながらコロナ禍の襲来とともにお店は閉店することにしましたが、今でも機会があればこういった狭いながらもしっかり体験できてお客様にお茶の魅力をわかってもらえるお店を出店できたらいいなと思っています。

出町柳店をオープンした目的は、京都市内の観光客需要を取り込みたいという点以外にも、和束町にいてはなかなか出会うチャンスの少ない新しい人材を確保したいという点にもありました。

京都市内は人口も多く、また学生も多いので、新しい人材を確保するチャンスに恵まれていると見込んでいました。出町柳店にアルバイトに来てくれるスタッフを囲い、良い人材は和束町にも送りたいと考えていたのですが、実際には出店してみてわかったのはお茶を淹れる・販売するというのは想定以上にスキルが必要で、なかなかそういった人材を確保するのは難しい、ということでした。
お茶の体験まで行うには、かなりのお茶知識が必要だという点に加えて、時には英語での接客も求められ、また接客の質も高い水準が求められます。和束町と違って京都市内には若い働き手はたくさんいる一方で、全てを兼ね備えた人材に出会うのはかなり難しいということを身をもって知りました。かといって、その頃は雇った学生人材を時間をじっくりかけて教育するほどの時間的余裕も我々にはありませんでした。
結局、本店スタッフが出町柳に交代で勤務することになったのですが、通勤するには地理的な問題もあり、また本店以外では初めての国内出店ということで当然スタッフへの負荷もかかります。

最終的には短時間営業にするべく、路面店ではなく新規ホテル内のカフェ運営に切り替えることにしたですが、コロナ禍によりホテルオープンの話自体が立ち消えになってしまい、出町柳店はたたむことにしました。

今でもお茶を販売できる人材の確保は悩ましい問題です。結局のところ、かなりじっくりと時間をかけてスタッフを教育していく、もしくはお茶の愛に溢れる方でうちで働きたい方とのご縁をじっくり待つしか解決方法はないと思っています。