こんにちは!いつもd:matchaをご利用頂き、ありがとうございます。d:matchaニュースレターチームより畑や新開発の商品、スタッフの近況をご紹介していきます。どうぞ、ご愛読ください。

畑のこと (by Hiroki.A )

微量要素の施肥によって土壌改良がなされた一例

植物の成長にはその部品となる元素や代謝を制御する元素が必要で、特に土壌中に存在する元素でより多く必要とする元素を三大栄養素と表現され、窒素、リン酸、加里(NPK)がこれに当たります。この三大栄養素は植物が多量に消費してしまうので、積極的な施肥により供給する必要のあるものとなります。それ以外にも植物が必要とする要素に多量・微量要素と、その消費量に基づき区分けされている元素群があります。重要なのはこれらの元素は植物が消費する量が異なるだけで、どれも欠いてはいけないということです。リービッヒの最小律で表現されるように、これらの元素が欠乏することで植物は本来の潜在能力を発揮できないケースがあります。そしてこれらの元素は元素の種類によって動向の仕方は変わりますが、収穫物に含まれたり、雨などによって流亡することで畑の外へ排出されていきます。そして、ある一定の量を下回ると、欠乏症として表面化します。

茶生産においても様々な欠乏症が存在します。そして、その多くは他の元素の過剰状態によって引き起こされることがあります。実際に自社茶園で見られた欠乏症は亜鉛欠乏です。亜鉛欠乏はリン酸過剰状態で引き起こされる可能性があります。この二つの元素は植物が根から吸収する際の拮抗作用が強い元素として知られており、地中の存在する濃度のバランスが亜鉛欠乏、リン過剰の状況下で多く見られます。亜鉛欠乏が発生すると、新葉に斑点が生じ、小さくよじれた形状になり、一番茶の収量・品質が落ちてしまいます。その後、牡蠣殻(亜鉛を含む)を土壌改良剤として導入するとほとんど見られなくなりした。

 

自社茶園で見られた亜鉛欠乏


 

‐ d:matcha 催事について (by Natsuki)

茶樹が休眠に入る時期にdmatchaでは12月から3月までは催事売場へ出向き自社の商品を販売しています。

2022年2月中旬、3月中旬は奈良、3月下旬から4月上旬(現在)は東京で販売をしています。特に東京ではオンラインの顧客様やSNSを通して知ってくださったお客様が訪問してくださり、「東京に来てくれて嬉しいです!」「インスタグラムを見ています!」とお声かけもしてくださいました。このようなお言葉を頂き、自社の抹茶スイーツが全国へ届いていると思うと本当に嬉しくなります。

催事場での販売種類は限られていますが、毎回季節やその地域にお住まいの方々のことを考えながら厳選して商品を持っていきます。今は春向けの商品ラインナップが揃いましたので現在催事会場の東京の皆様にはいち早く手にとっていただけます。特にいちご抹茶ムースケーキはスタッフ一押し商品!抹茶ムースが上品な甘さでd:matcha女性スタッフは一人でも食べてしまいますよ。

催事会場:JR上野駅改札内 エキュート上野

催事期間:3/28(月)-4/10(日)

 

- 樂焼の美しさ(by Ryhan)

お茶の世界にはさまざまな側面があり、私が農業以外に特に興味を持ったのが器です。陶芸作家は農家のように時間とエネルギーを費やしてその人だけにしか作れない作品を生み出すのです。

楽焼の特徴はろくろを使わず、ヘラを使って、姿、形を整えます。また、もう一つ別の技法に、「内釜焼成」という技法があります。内釜焼成とは、家屋内に作られた小規模な釜で750℃ - 1,200℃で焼成することです。一般的に陶器は、山間部の傾斜地に大規模な窯を築き一度に大量に焼成しますが、楽焼は、街中の家の中の小規模な窯で生産されます。

楽焼の創始者である、長次郎は茶の文化に多大な影響を与えた人物です。茶の湯の文化が成立し、その美意識にかなう国産の茶碗が求められ、千利休の指導のもと、黒楽、赤楽茶碗を作り上げました。”楽”という文字は豊臣秀吉の聚楽第の「楽」から譲り受けたと言われています。

もし、特別なお茶碗でお茶を飲む機会がある時は、その茶碗の歴史も感じながら使ってみてください。ただ今私たちが使える、長次郎の楽茶碗は全て写しになっています。戦国時代からある茶碗の形をみながら、茶の歴史を感じてみてください。

 

- 常滑焼急須の魅力② (手入れの仕方)(by Azusa.U)

前回に続き常滑急須についてお話ししたいと思います。

皆さんは常滑焼急須の使い始めは煮沸をしていますか?

煮沸をすることで常滑焼急須は汚れにくくなり、綺麗な状態を保つことができます。また水分を含ませることで汚れの侵入を防いでくれます。

やり方は簡単です。沸騰したお湯に15分弱火でコトコトします。煮沸が終わったら自然乾燥で乾かしてあげてください。

※煮沸直後は急須が熱いので必ず冷ましてから取り出してください。

次に普段のお手入れ方法です。

急須を洗う時は水やお湯で洗うようにしてください。急須はとても繊細であるため洗剤をつけてしまうと匂いがついてしまいます。

またお湯で洗う方が茶渋が落ちやすいです。

次に注ぎ口についてです。注ぎ口は特に茶渋成分が溜まりやすい為細いブラシや綿棒で洗うのをオススメします。更に水道水の水圧で洗い流すのも良いとされる為注ぎ口に水を直接流し込んでください。そうすると水流で茶渋成分が落ちやすくなります。

また使い続けていく中で汚れがつきやすくなります。そういう時は歯ブラシや綿棒で擦り洗浄すると急須を傷ませることなく汚れが落ちやすいです。

また頑固な茶渋には1時間くらい水を張った1時間程度浸けるなどし付着した粉や葉を落とす他、重曹でのお手入れがオススメです。

重曹でのお手入れ方法は茶渋が浸かるくらいにお湯を注ぎ小さじ1〜2杯程の重曹を入れ溶かします。

お湯が冷めるのを待ち茶渋がついた部分を歯ブラシや綿棒で擦ります。


最後に乾かし方です。洗浄後はよく乾かすようにしてください。急須は表面がでこぼこしているため水分が溜まると雑菌が繁殖しやすいです。その為洗った後はすぐに蓋をせず注ぎ口を下にした状態でしっかり乾かすと良いです。

 

 - 抹茶を飲みながらピクニックby Seiya.H)

皆様は『野点(のだて)』という言葉を聞いたことがありますか。野点は簡単に言えば外でお点前をすること、今でいうお茶を使ったピクニックみたいなものです。

茶室内のお点前は全て手順と動作が決まっているように、野点の点前も数は少ないですがしっかり手順が全て決められています。裏千家では野点の点前のシリーズを茶箱(ちゃばこ)の点前とも呼び、お稽古の時は茶室内でお点前を行っています。

茶箱の点前は、お点前に必要な道具がほとんど茶箱という名の木箱に収められています。お湯を沸かす道具とお湯を捨てる道具だけは箱とは別に用意されています。お点前を進むにつれ、箱の中に入っている茶碗、棗(抹茶が入っている道具)、茶筅などの道具を出していきますが、茶箱の点前で全て共通なのが、茶箱に入っている道具は全て畳の上に直接置かない事です。本来なら野点の場合、畳ではなく地面の上に道具を置いてしまう事になってしまうため、必ず茶箱の蓋、茶箱と共に準備している板等、点前によって異なりますが、外でもお茶を楽しめるように工夫がされています。

お点前の通りではなくても、野点は気軽に楽しむことができます。私が常に野点をする時は茶箱に必要な道具を入れて魔法瓶にお湯を入れてから外に出ます。コロナの前はそれらを持ち歩いて、友人に外で抹茶を点てる事も私の楽しみの1つでした。

私の場合は茶箱セットを使用していますが、野点で最低必要なのは、お湯、茶筅、茶碗、抹茶の4つのみです。後は自分が楽しみたい場所で自然に溶け込みながら抹茶を一服飲むのも楽しみの1つだと思います。特に春は桜の木を見ながら抹茶を飲むのは最高です。

2つの画像は茶箱 月点前 で使用します。月見をしながら船の上でお茶を楽しむ用に作られた点前です

 

 - d:matchaでのインターンシップ(by Michael.M)

こんにちは、オーストラリアから来たマイケルです。私は、3週間ほどd:matchaでインターンをしました。実はこのインターン経験は僕にとって2回目です。1回目は2年前でその時の経験がとても素晴らしかったのでもう一度参加させてもらいました。d:matchaでのインターン経験ではお茶に関わるさまざまなことをさせてもらいました。

以下、学んだことをまとめてみました。

1.自分のステレオタイプから抜け出し、柔軟になること。

茶の樹の手入れのために何回か茶畑へ足を運びました。肥料を撒き、葉を揃え、新芽が生える準備をします。d:matchaのスタッフは何も知らない僕に丁寧に教えてくれました。僕のような都会育ちの人にとってはこういった畑の体験はとても面白いと思います。

2.お茶は想像以上に深く、面白いもの。

茶の品種やそれぞれの特徴を知れば知るほど奥が深いのです。味わいや品種によって育て方も違います。畑に出て実際に作業することでそのことを知ることができました。

3.自分の想像力や発想力が広がったこと。

高齢化が深刻な茶業界を次世代へつなげるために取り組んでいるd:matchaの使命感に感銘を受け、こういった社会問題を抱えながら前進し続ける企業の可能性を直接みることができました。d;matchaチームが和束町という田舎でお茶という伝統的産業に新しい風を吹かせていることがとても魅力的です。それは自分の将来にも新たな可能性を考えさせてくれました。日本の創造性には本当に驚かされました。

 

- d:matcha創業物語⑦~嵐山創業期:店舗を探そう(by Misato.T)

実は創業当初、d:matchaは嵐山で店舗を構えたいと考えていました。
産地直送の抹茶を国内外のお客様に楽しんでいただく立地として、観光エリアであり京都駅から15分というアクセスの良さの嵐山を選んだのです。
しかし、予想以上に嵐山での店舗探しは難しいものでした。
たとえ物件が空いていたとしても、それが公式に不動産市場に出てくるとは限りません。京都は非常にクローズドな世界ですので、知り合いなどのツテがないと物件交渉のテーブルにさえ付けません。家賃が払えるかどうかではないのです。ましてや新参者でベンチャー企業となるとなおさら難しいのです。
京都の”一見さんお断り”という文化の一端を見たような気がしました。一方で、京都ならではのこの厳しい”フィルタリング”により、京都の昔ながらの伝統が維持されているのかもしれません。
さて、我々はこのような事態を想定していなかったので、大変困りました。嵐山で物件が見つからないので、京都市内にしようかなど色々な可能性を検討しました。


そんな矢先に、京都市主催のベンチャー起業家講座の講師の先生が、「産地で店舗をやったらどう?」とアドバイスをくれたのでした。
京都では起業家を支援する様々な枠組みが充実していて、講座を受けるとベンチャー支援の補助金や枠組みが利用できるということで、私もその講義に参加しました。京都で起業してよかったと思うことの一つは、府や市からのサポートがあることです。


講師の先生は「生産からやっているというストーリーを伝えるなら産地の方がわかりやすいのではないか」という考えでした。
それまでは、和束町はかなりの田舎なので和束町で出店すると考えたことはありませんでした。先生のアドバイスに感謝です。

↑嵐山の空き物件。嵐山付近で空いている物件がないか自転車で探し回りました。

↑渡月橋のすぐ近くで新たに開設するホテルのカフェとして入らないかという話もありましたが、ホテルのオープンは実現はしませんでした。

↑嵯峨エリアの最北・化野念仏寺付近のお土産屋さんの並びで店舗をオープンするかも検討しました。もしここでオープンしていたらコロナ禍は乗り切れなかったと思います。