こんにちは!いつもd:matchaをご利用頂き、ありがとうございます。d:matchaニュースレターチームより畑や新開発の商品、スタッフの近況をご紹介していきます。どうぞ、ご愛読ください。

 

畑のこと (by Hiroki.A )

在来種の面白さ

お茶には多くの品種があり、それぞれ特徴的な個性を持っています。品種ごとに特有な香りや色の濃淡、葉や樹勢の形状、滋味や苦味の強弱、萌芽期のタイミングや収穫時期の違いなど様々形質な多様性があり、我々生産者はその特徴に合わせて茶種選択や管理の方法を決定しています。基本的には一つの畑は一つの品種のクローンで形成されます。例えば、ゴコウの茶畑ではすべての茶園を形成している茶の木はすべてゴコウのクローンで増やされた苗木由来のもので、その畑からとれたお茶はすべてゴコウからのもので、ゴコウの特徴を反映した商品ができます。しかし、様々な茶の木から構成された茶園があります。それが在来の畑です。

 在来種の畑とは、実生植え(種を直接植えたもの:クローンの対義語)によって派生した茶園のことで、その茶園構成するお茶の木はすべて異なる遺伝型を持ち、異なる特徴を持っています。在来の畑ではすべての茶の木が異なるタイミングで萌芽・伸張を行うので、すべての新芽を最適のタイミングで収穫することが難しく、在来の茶園は生産上の非合理性という理由から改植(茶の木を植えなおすこと)が行われ、現在ではその希少性を増しています。在来の畑のお茶は様々な特徴を持つ茶葉が合わさってお茶ができるので丸みのある優しいお茶になることが多いようです。さらに、年ごとに特徴的なお茶ができるようで、今年のお茶は薄荷を連想させるような清涼感の強いお茶が収穫されました。お茶の魅力は一般的に市場で評価される項目以外にも様々な魅力を持つと考える我々にとって、在来種の畑はとても大切な畑です。

図)様々な葉が混在し、斑に見える在来の茶園。 

  

 

‐Beau-teaブランド始動‐(by Natsuki)

 

 

 この冬から発酵食品作りを自分の趣味としており、時にはスタッフに甘酒を振舞っていました。そしたらその趣味を超えて、商品化することになりました。【発酵×日本茶】を組み合わせた甘酒です。こだわったのは、和束町産の玄米を使用したこと。通常、甘酒を作るときは白米を商品することが多いのですが、玄米は白米よりもタンパク質が多く、栄養価が高いです。夏バテ予防にぴったりのスーパードリンクになりました!甘酒とお茶の組み合わせって意外にも相性がいいのです。甘酒生活取り入れてみませんか?

-和束に来たら是非訪れてほしい場所(by Chisei.T)

 和束に来たら是非訪れてほしい観光スポットがあります。それは安積親王陵墓です。宮内庁管轄の同陵墓は、参道の両脇に茶畑に囲まれている珍しい古墳です。安積親王は奈良の大仏を建てることを命じた聖武天皇の息子の1人で、聖武天皇は反藤原氏と藤原氏で政権争いの板挟みにあい、天然痘で多くの人が死に、反乱があったり、大きな地震があったりと激動かつ不運な時代に即位した天皇です。そして彼の息子の1人である安積親王は17歳という若さでその生涯を終えることになります。その死因は脚の病とも毒殺とも言われていますが後者が有力な説です。聖武天皇の妻には藤原家系の光明皇后と縣犬養広刀自がおり、縣犬家の血を引く安積親王が次の天皇に即位し、藤原家の地位が危うくなると考えた藤原仲麻呂に安積親王は暗殺されたと言われています。そんな権力争いに巻き込まれ、不運の死を迎えた皇子が愛した地が、聖武天皇の時代に平城京から遷都した恭仁京(現・加茂町)と信楽宮の間にある和豆香(和束)の山々なのです。後に彼が愛して止まないこの和束の地にお墓が作られます。ひょっとしたら、激動の時代に疲れた皇子の唯一の安らぎは和束町のこの美しい風景だったのかもしれません。是非、そんな皇子の想いを馳せながら皇子と共に陵墓から見渡せる美しい和束の景色を味わに来てください。


茶畑に囲まれた参道柵に覆われた陵墓は一周歩けるようになっています。

 

-  生活のシンクロニシティ(by Ryhan)



最近、農作業をしていると自然界の相関性について考えます。普通に見えている小さな出来事が、農家だったとしたらそれが全て明らかになり、目立つようになるでしょう。特に最長44年の生産可能な茶の木を世代を超えて、時には生涯にわたって成長する茶の木を世話するお茶農家にとっては特にわかるようになるでしょう。

タイトルに書いた、”シンクロニシティ”はユングによって提唱された言葉です。ユングはこの唱えの中で、偶然に起こることは何か意味があり、人間の意識は深い部分で繋がっていると提唱しています。意味のある偶然をどのように扱うかによって自分自身や身の回りのものの側面を内面的にみることができます。

シンクロニシティは農業をする時に心に留めておくと便利なアプローチだと思います。物事がどのように相互作用していることに気づくと、教科書通りの世話をしなくても作物から学ぶことができる機会がたくさんあります。


 

-雨の日のお客様 (by Azusa.U)

 
梅雨入りが宣言されてから雨の日が以前よりも多くなりました。雨の日になるとほぼ毎回来てくださるお客様がいます。そして、いつも見晴らしの窓側の特等席にいます。その名もカエルです。いつのまにかやってきて、殆ど一日中窓側の狭い縁に登って一緒にお客様をお出迎えしてくれたりお店を見守ってくれます。晴れの日の窓側もオススメですが、雨の日の窓側もカエルを見ながらお茶をすることができます。雨の日はお客様も比較的少ないのでゆっくりと店内で過ごすことができます。

今では沢山の新茶が店頭に並んでいます。品種違い,被覆違いによってお茶の旨味や渋味,香りが変わってきます。是非飲み比べしてみてください。晴れの日も,カエルさんとともに雨の日もご来店お待ちしております!

 

 

毘沙門堂から始まった夏。百聞は一見に如かず(

by Seiya.H)


6月7日に入社して、その日の午後に行った最初の畑が毘沙門堂でした。想像を絶する山道を車の中で彷徨いながら、たどり着いたのが毘沙門堂に広がる美しき茶畑。新しい出会いと新しい経験。本を読んだり予習をしておきながらも、実際に目で見てみないと分からない世界がそこにありました。茶狩りの仕方から、被覆の仕方まで。偶然にも、私が立ち寄った茶畑の一つでは、同じ畑で、2週間被覆されていた場所と一切被覆していないあからさまな違いを自分の目で確かめる事が出来ました。まずは1年間お茶の木と向き合って、お茶のカレンダーと寄り添うところからが、私の初めの一歩だと思います。

皆様も、和束町へお越しの際は、いろんな茶畑の「色」をお楽しみください。
収穫される前の「緑」、被覆中の「黒」、茶葉を切り落とした後(整枝後)の「茶色」。

d:matchaにて、出来上がったお茶を共に、お待ちしております!

写真は湯船・二ノ瀬の茶畑(被覆した葉(左)と被覆していない葉(右))

 

 

- 新規就農とお茶①(by Misato.T)


先日、お茶で新規就農をしたいという移住希望者の方に出会いました!新たな仲間が和束に増える素敵な話だと思いましたが、経験者として、どこに難しさがあるかやポテンシャルについてお話ししました。

実際、農家の後継ぎを除いて、お茶で新規就農する方は少ないのが現状です。それはなぜでしょうか?数回に分けて、新規就農者の実情に迫ります!
<お茶で新規就農することの難しさとは?>
①最初はろくな茶園が手に入らない
お野菜と違って苗が育って成木になるまで3~5年かかるので、新規就農者は基本的に成木茶園を他者から借りるところから始まります。しかし、新規就農者に最初に貸してもらえるのは大抵、条件不利農園です。収支的に非常に厳しい茶園からスタートしなければなりません。(写真はd:matchaが一番最初に借りた茶園。相当な傾斜地で、下の方は放棄されていました)

②投資資金と運転資金が必要
茶の収穫を行うのには機械が必要です。抹茶を作る際にはテックスと呼ばれる高価な被覆シートも買わなければなりません。また、お茶は収穫が年に3回しかありません。しかも収支的には一番茶の寄与がほとんど。つまり、肥料や農薬を購入してから収入を得るまでの期間がとても長いので、その間の十分な運転資金が必要です。思った以上に資金が必要だというのが率直な感想です。
(次回はお茶の労働季節性と新規就農について考えたいと思います)

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玄米茶麺の開発と稲作への挑戦(by Daiki.T)

今年は、「茶」に加えて「米」の栽培も行っています。日本の強い農産物を栽培することは、農学部で学んだ人間としては根源的な欲求なのですが、と同時に影響をうけている番組「鉄腕ダッシュ」があります。今は惜しまれながら放送終了しましたが、TOKIOが活躍された番組です。この中で2016年に「日本一のラーメンを作る」という企画があり、全国から素材を手に入れ、麺打ちを行い、究極の1杯を作るのですが、そこで衝撃だったのが、まずTOKIOが畑に行き、「まずは、小麦の栽培からするか」と言ったことでした。「そこまでやるのか!」という驚きと同時に究極に格好いいと感じたのを今でも覚えています。 

 お米も日本の主食でありながらその生産量は減っていますが、和束町でも斜面は茶畑、平たく粘土質の土壌では小さいながらも稲作が営まれています。水が綺麗なので大変美味しいです。大量生産できるような地形では無いので、茶農家さんが自家用に栽培しているケースが多く見受けられます。いつかはチャレンジしたい、と考えていた稲作ですが、昨年から我々が耕す茶畑の真ん中にある田んぼがご高齢を理由に耕作を止められていましたので、早速声をかけ2021年度から栽培を開始しました。 

 米、特に玄米は栄養価が高く、また、低GI値の食品(繊維質などが多く、血糖値の急激な増加が起きにくい)であるため、糖尿病家系である私は非常に興味深く感じ、また個人的には玄米の味そのものを好きでした。玄米は胚芽や皮まで使用するため、自社の田んぼでは無農薬での栽培を行っています。この玄米を活用し、茶麺を製造する予定です。もちっとした食感に加え、優しく玄米と茶の香を楽しむことができる麺です。製麺機を導入し、本格的な生産を7月から行っていく予定です。 その他、玄米の糠を使用した低糖質の菓子など、糖質や血糖値を気にする方でも楽しめる、日本が誇る玄米を活用した商品群を今後一層拡大して行く予定です。 

 限りある人生の時間のなかで、私達が食べたいと感じ、やりたいと思う農業を可能な限り迅速にどんどん行っていきたいと考えています。仮に80歳まで生きるとしても農業は基本的に年に1回なのであと40回程しかありません。1年も無駄にしないよう動きながら考えて挑戦です。

代表取締役 田中大貴


旬のスイーツ便り<7月>

 d:matchaの新たなコンセンプトの商品、お茶フードを通じて美味しく・楽しく美活ライフをサポートする"Beau-tea"シリーズが生まれました!第一弾は、発酵食品×日本茶のスーパーフードで注目させれている最高コンビ「宇治茶玄米甘酒」です。

甘酒は冬に飲むものとイメージされる方も多いかもしれませんが、実は、江戸時代には夏の栄養ドリンクとして甘酒が移動販売されていた歴史があるほど、麹に含まれている栄養価の高さに昔から注目されている飲み物です。抹茶、ほうじ茶きな粉、レモン煎茶の三種類があり、甘酒と日本茶が加わることでとっても飲みやすい甘酒になりました。試食会では、d:matchaスタッフも甘酒の概念が変わった!砂糖なしでこの甘さなの!?という反応で「美味しい」の声をたくさんもらえました。甘酒の喉にうっとくる甘さが苦手という方にぜひ飲んで頂きたいです。日本茶以外の主な原料は、米麹、和束町産玄米。麹の優しい甘さに虜になっていただけるはず。冷凍品としてお届けしますので、夏のお中元にもおすすめです。