d:matcha通信 2021年6月号
こんにちは!いつもd:matchaをご利用頂き、ありがとうございます。d:matchaニュースレターチームより畑や新開発の商品、スタッフの近況をご紹介していきます。どうぞ、ご愛読ください。
d:matchaの畑のこと (by Hiroki.A )
今年度の揉み茶(煎茶、かぶせ茶、玉露)の収穫がほぼ終わりました!
一番印象に残ったのはやはり棚の畑でした。この畑では毎年玉露を栽培しています。品種はゴコウで難しい品種といわれています。何故なら、ゴコウは新芽の硬化が早く、収穫の適期がかなり短い品種なので収穫のタイミングを見図るのが非常にタイトです。ゴコウの硬化してしまった葉からはなんとも言えない酸味を連想させるような籠った匂いがするので、おいしいお茶をゴコウで作るのは至難の技なのです。
写真)棚のゴコウの畑(収穫前)
そこで大活躍するのが棚による被覆です。棚による被覆は直掛けと言われる茶園の上に直接寒冷紗を被せて被覆する方法とは異なり、物理的な干渉がなく、太陽の熱により熱くなることがないため葉の硬化が穏やかで新芽がのびのびと成長していきます。
実際に直掛けを行ったゴコウの畑と棚のゴコウの畑では驚くほどに違いました!
-販売目線で茶の収穫 (by Natsuki)
今年度は3回茶の収穫に携わる機会がありました。普段販売員として主に店舗に立たせて頂いているので、なかなか畑に出向く機会がありません。この時期にタイミングよく畑に出れる機会に恵まれ、実際に収穫した茶を見てみると各茶畑の違いがよくわかり、各品種で個性があるのでとても面白いです。雨が降った次の日の畑は足場が悪く斜面に面している茶の収穫は思った以上に重労働であること。肥料によって畑の匂いが違い、収穫後は身体中臭くなること。育て方によって生葉の状態が違うこと。など畑に出向かないと実感できないことが山ほどあります。
今年度のお茶はその経験を踏まえて、美味しいお茶の向こう側にある農家のストーリーをお客様に直接お伝えできればと思っています。お茶を淹れる時の愛情がますます増しました!
- 持続可能な農業を目指して(by Chisei.T)
今月は2つのプロジェクトがとうとう始動しました。1つ目のプロジェクトは持続可能な茶作りのモデルをつくるプロジェクトです。5月24日にマメ科植物ヘアリーベッチの播種を行いました。空気中の窒素を固定し自身が他植物の肥料になるこの植物を利用した農業は窒素肥料をたくさん必要とするお茶の既存の肥料の代替になる持続可能な農業の第一歩になるのではと期待を寄せています。
もう1つのプロジェクトは玄米茶の玄米やお菓子の原料を米から作るプロジェクトです。もともと田んぼをやっていた方がご高齢で田んぼが1年間出来ていないところをお借りすることになり、ご指導を受けながら米作りに挑戦しています。高齢になり農業をすることが困難になった方々から技術や想いを引き継ぎ美しい景観も残していきたいです。
- お茶に命を吹き込む(by Ryhan)
あまり知られていないかもしれませんが、一番茶の収穫の準備は収穫の1年前から始まっています。d:matchaでも同じで、一番茶の収穫が終わった後、すぐに翌年の一番茶の準備をはじめます。ただ成長した葉を収穫するのではなく、収穫までに緻密な生産計画を立てています。お茶農家のなかなか気づかれない疲労の側面です。
今シーズンの茶の収穫に全力を注いでいるのはもちろんですが、収穫した後出来上がったお茶が自分たちの理想としていたように出来上がったかわからないまま工場から出来上がってくる茶を待ちます。この出来上がった葉を見て一年を振り返るとそれが自分たちが思い描いていた茶になったときは感謝しかありません。そしてそれと同時に農業は毎シーズン同じではなく前進しなければならないということを教えてくれます。新しい技術を取り入れ挑戦します。そして次の収穫は今年よりさらに良くなっていると思います。
森田宏幸先生が監督を務めたジブリ作品「猫の恩返し」でフンベルト男爵(猫のバロン)のセリフにこんな言葉があります。
「人がもつ想いや願い・・・そう言うものを込めて作られたものにはいつしか心が宿る」
私たちも心を込めて今年の新茶を栽培しました。季節の新茶を楽しみながらゆったりと一服を楽しんでいただけたらと思います。農作業も一つの芸術と思っています。次のシーズンも農作物の生命力と深みを出来るだけ活かせるように努めていきます。
- 雨と茶の関係 (by Azusa.U)
近畿地方の梅雨入りが発表されました。近畿地方では1951年に始まった統計史上最も早いそうです。梅雨入り発表前からも天気はスッキリせず,これだけ連日雨続きだとチャの生育にも影響がが出るのではと疑問に思い,雨との関係についてどのような影響があるのか調べてみました。
収穫時期に雨が降ってしまうとお茶の味は薄まると言われています。その理由として,収穫時期に雨が降るとチャは勢い良く伸びようとします。急に成長してしまうと節間と呼ばれる葉と葉の距離も広くなり細胞のサイズが大きくなってしまいます。そうなることで含まれるポリフェノールやミネラル量が少なくなり,品質に影響するそうです。また,勢い良く伸びることで葉のミネラル量や栄養素は戻されてしまい味が薄くなってしまいます。収穫期に雨が降ると味が薄まるのは茶だけではなく,露地で栽培しているリンゴ,イチゴ,サクランボ,ブルーベリーなども栄養素が戻されてしまい甘味に欠けるそうです。また今回調べている中で面白いと感じたのは,エサを探しに来た鳥も雨が降った後は農作物が味が薄いのをを知っているため食べに来ず,少し時間を置いてから来るそうです。
- 父の日はお茶を贈ろう!(by Misato.T)
実は男性が意外にお茶にハマる方が多いのをご存じでしょうか。一見すると、お茶でティータイムを楽しむのは女性と思われる方も多いかもしれません。確かに女性のお客様も多いのですが、和束町本店にひとりで煎茶飲みに足しげく通われる方は、実は男性が多いです。
煎茶という飲み物の楽しみ方は様々。
使用される場面も、①喉の渇きを潤したい、②お菓子を合わせてペアリングを楽しむ、③煎茶にじっくりと向き合い煎茶そのものの味わいを楽しむ、などといろんな場面があります。煎茶は繊細な飲み物でもあるので、知識とともに頂くと味わう楽しさが倍増します。そういった知識とともに茶を楽しむ楽しみ方は、ワインに似ています。一概には言えませんが、男性の方がこういった楽しみ方を好まれる方が多いのかもしれません。
そういう観点からも、父の日には煎茶をプレゼントするのがおススメです。今年はお酒とのセットもあります。お茶とお酒の飲み比べはきっとお父さん達に喜ばれると思います!