こんにちは!いつもd:matchaをご利用頂き、ありがとうございます。d:matchaニュースレターチームより畑や新開発の商品、スタッフの近況をご紹介していきます。どうぞ、ご愛読ください。

畑のこと (by Hiroki.A )

和束内の地域差における土壌の炭素循環速度

我々d:macthaは和束町内にいくつかの自社茶園を管理しています。これらの土壌状態を比較してみると立地によって異なり、特に山間の湯船の茶園と日当たりが良い茶園ではその差が大きく感じられます。山間の日照時間の少ない茶園では地温が上がらず微生物の活動が鈍化し、逆に日当たりの良い茶園では促進されます。この立地による地温差は土壌中の炭素循環のスピードを変化させ、前者ではより有機物の層を厚くします。

肥料や除草や剪定管理による残渣には多くの炭素を供給します。これらは土壌の生物的要因により分解されその多くは空気中に二酸化炭素として放出されますが、一部は腐植として土壌に蓄積します。腐植は土壌の物理性を向上させ、肥料のポケットであるCEC(陽イオン交換容量)を高めます。このように土壌における炭素は大きな寄与をもたらします。しかし、有機物の供給が微生物の分解速度を大きく上回ってしまうと有機層は厚みを増していきます。過剰の有機層は肥料の吸収を阻害し、結果として、費用対効果の低い管理を行ってしまいます。通常、茶園への有機物の供給量のコントロールは秋の選定で収穫するか刈り捨てるかで行います。茶園の立地はその作業を決定する大きな材料でもあります。

 

  

 

 

‐ 春の新商品続々開発中! (by Natsuki)

 

商品開発チームは1月から3月にかけて新商品の開発に毎日奮闘中です。今年の春スイーツのテーマは”桜。花見をしながら召し上がっていただけるような美味しくてかわいいスイーツを目指しています。左写真は『桜の抹茶チーズケーキ』試作段階でいろんな柄のバリエーションを考えてみました。新商品を開発していく上で気をつけていることは、一目で抹茶と桜が伝わること。味が美味しいのはもちろん写真に納めたくなるような”見た目”も大事にしています。皆さんはどのパターンがお好きですか?

他にも「抹茶桜ティラミス」も登場予定。今年は桜の下で安心してお花見ができる春が来たらいいなと願いながらワクワクするスイーツをお届けできるよう進めていきます!お楽しみに♪

 

 

 

 

 

- 獨行道(by Ryhan)

 

今回は、戦国時代から江戸時代に渡って多くの人に影響を与えた武士、宮本武蔵についてお話しようと思います。宮本武蔵の著名な作品は「五輪書」と「獨行道」です。これは私が16歳の時に兄の本棚で見つけた作品です。私はその作品の虜になって宮本武蔵先生について兄とよく話し込んでいたのを覚えています。

この作品の英語表記は、“The Path of Aloneness”.

 宮本武蔵が死ぬ7日前に弟子に渡した書。侍としての「生きる心得」が21箇条が綴られています。

その中の一つ、私の好きな教えがこちら。

”よろすに依枯の心なし'

'ーどんなことにも依存心を持たない。

現代はたくさんの情報に溢れています。いろんなものから影響を受けて自分の選択肢を選ぶことを避けられません。しかし中途半端に物事を決めると、間違った決断をする時よりも問題が生じてしまいます。宮本先生は刀の達人であるだけでなく、茶道も熱心にされていました。その宮本先生の教えから私はこう考えます。

自分の中で迷いがある時には、茶道でお茶を点てる所作を丁寧に遂行することで、己に向き合い、集中することが道を決めることができる手段なのだと。

茶道は自己を見つめることができる一つの手段です。皆さんも1日のどこかで1杯抹茶を点ててみてはいかがでしょうか。

 

- 高級煎茶と呼ばれる和束茶とその理由(by Azusa.U)

私たちの店舗がある和束町は京都府内では京丹波町、与謝野町に次いで3番目に大きい町です。和束町で作るお茶は高級煎茶と呼ばれます。

まずお茶を栽培するに適切な気候条件を持っています。和束町のような寒冷な山間地では平坦な土地に比べると萌芽が遅く摘採期が遅いと言われていますが茶葉の硬化スピードが遅く旨味成分を長く保つと言われています。

そのため香味に優れたお茶ができると言われています。また傾斜を利用した栽培では冷たい風が停滞することなく斜面の下に流れます。逆に平坦な土地では下に流れることなく溜まってしまいます。風通しの良い場所がお茶の栽培にも適しているので和束が傾斜のある場所でお茶を栽培している理由はここにあります。

 

次に土質です。お茶の栽培に適している土壌とは土壌pHが4〜5の酸性土壌で排水性、通気性、保水性を兼ね備えていることが良いとされています。和束町は琵琶湖の湖底だった土地が隆起してできました。そのためきめの細かい極めて良質な鉄分を豊富に含む赤土であり、赤土が旨味の強いお茶を作ると言われています。また和束町の粘土質の土は同じ町内でも地域ごと畑ごと土地それぞれの地の香りを持っているので場所により香りや味に違いが出てきます。

 

 - お茶会の主役 濃茶② 濃茶の前の懐石料理by Seiya.H)

皆様は懐石料理と聞いて、何を思い浮かべますか。

現在の懐石料理は、和風料理の一種で、今ではいろんな料亭が一品ずつ様々な和風料理を出しておもてなししています。しかし本来懐石というのは、お客様をもてなす禅僧が寒さと空腹をしのぐ為に自分の懐に入れる石の事でした。やがてそれが室町時代頃からお客様へのごちそうの言葉に変わりました。

 

戦国時代以前の懐石料理はまるで宴会の用に沢山の料理が並び、お客様が料理の方に時間を取られすぎたり、満腹になってしまい、主役のお茶が忘れられてしまう事が多々ありました。そこで武野紹鴎という茶人が『一汁三菜』というルールを作りました。1品の汁物に対して3品の料理(おかず)が順番に出てきて、それより多くは基本出さないというやり方です。武野紹鴎の弟子、千利休は、茶室で亭主自らがお客様のお料理を運ぶというスタイルを追加し、現代でも殆どの茶事が一汁三菜で、亭主自らが運び出すというおもてなしをしています。

3つのおかずに関しては、向付という名が最初の品で、基本的には刺身に昆布や酸味を加えたものが多く、その後に煮物椀といって、熱々の薄い出汁のスープの中に真蒸が入っていることが主流で、最後に焼き物(大半季節の焼き魚)が出てきます。これらの料理を入れる器も亭主自ら事前に選んでその日のお客様の為に出すものが多いです。

 

全ての懐石料理を食べ終えると、和菓子が出てきて、それを食べ終わったら客は一旦茶室の外に出て、亭主が茶室を設えながら濃茶の準備をするのを待ちます。

 

あくまでお茶が主役の茶事茶会ですが、それらを盛り上げる為の料理も様々な工夫がされています。食後のついでにお茶と思われる方も多いかもしれませんが、美味しい食事の後に美味しいお茶を味わって飲むのも素晴らしいと思います。皆様も私たちのカフェでの料理を召し上がった後、是非抹茶を一服食後に召し上がってみてください!

 

- d:matcha 創業物語⑤~d:matchaは実は嵐山で創業しました~(by Misato.T)

 

実はd:matchaは京都・嵐山で創業したということをご存じでしょうか?
ボストンのBabson college MBA留学で1年も過ぎると、代表は早く起業して事業計画を実行に移すべきという考えを抱くようになります。
時間は何よりも大切な資産です。若くて元気があるときに創業しないとという思いもありました。
創業時に考えていたビジネスモデルは、茶の栽培を京都・和束町で行い、茶の販売は観光客の多い京都市内で行うというものでした。2016年当時も既にインバウンドによる海外観光客需要により京都市内は大いに賑わっていました。
語学の武器も生かせますし、グローバルな顧客を得る方法として、京都市内に出店をしたいと考えたのです。
京都の中心部からの距離はあるものの、嵐山エリアはJR京都駅からの利便性が良いこと、観光地としての人気が高いことから、嵐山に拠点を構えたいと考えました。

その当時は、まずは嵐山に会社住所と居住地を構えて、いずれは嵐山で良い物件を探して出店するつもりだったのです。
代表はMBA留学の期間が残っていたので、私だけ先に帰国して嵐山で賃貸住宅を借り、会社の登記をしました。2016年6月6日、偶然ですが「6」がつく日でした。(次回に続く)