こんにちは!いつもd:matchaをご利用頂き、ありがとうございます。d:matchaニュースレターチームより畑や新開発の商品、スタッフの近況をご紹介していきます。どうぞ、ご愛読ください。

 

d:matchaの畑のこと (by Hiroki.A )

冬本番を迎え、厳しい寒さが続いています。去年の冬が暖冬ということもありより一層寒さが肌にしみる季節です。

秋から冬にかけて、剪定後茶園は徐々に増していく寒さに晒されます。晴天の夜は放射冷却により朝方の温度が氷点下になることも少なくなく、真白に霜が落ちた茶園を見る機会も増えていきます。茶園はこの寒さに晒されることで濃緑色から黄色みを帯びた冬の茶園の色に変わって行きます。品種や立地、仕立ての状況に応じてていどは異なりますが、その傾向はどのお茶園にも見られます。厳しい冬を乗り越えた茶園は春までの間、ゆっくりと緑色を取り戻します。徐々に変わっていくのでなかなか気づきにくいですが、間違いなく色彩が変化しています。

これらの変化は茶の品質において、特に香気において大きく寄与していると考えています。気温の変化は茶体内での代謝に影響をもたらします。それは茶園の色の変化だったり、耐寒性や糖代謝に関わるような目に見えない変化かもしれません。これらの代謝の変化に伴った蓄積物が春にお茶に寄与しているのではないかということです。トマトの青臭さやキンモクセイの芳香成分はその合成回路の出発点にカロテノイド色素(植物色素で黄、橙色を呈する)を持っている事実はよく知られています。お茶のこのような色彩の変化もまた何らかの形で香気に寄与しているのならば、比較的温暖な鹿児島や静岡の産地に比べ、滋賀を代表する朝宮や和束町の湯船などの寒さが厳しい産地のお茶に異なる香気があるのも不思議ではないと思いながら、冬の黄色くなった茶園を眺めています。


-d:matchaスタッフのお茶を淹れて思うこと(by Natsuki)

 

 岐阜に帰省した時に、和束町のお茶をお土産に持って帰るのですが、和束町で美味しい!甘い!と思っても地元で淹れても全く同じような味わいが出でず、感動してもらえるわけではないので、美味しい!と思ってもらえるお茶を淹れるにはどうしたらいいかとずっと考えておりました。色々実験してみると、”原山のやぶきた”を少し高めの温度で淹れると家族の好みの味だということがわかりました。原山の土地の香りと爽やかさが気に入ったようなので、次に、そのやぶきたに地元の”伊吹山”で自生する薬草の”イブキジャコウソウ”をブレンドして薬草ブレンド茶を淹れてみました。するとさらに香りが高くなり、大変気に入ってもらいました。薬草もやぶきたも高温で淹れると香りがふわっと広がり癒しの効果絶大でした。調べてみるとイブキジャコウソウには発汗作用があり風邪に効能を発揮すると言われているそうです。お茶にも殺菌効果があり風邪予防に繋がるので美味しく健康的に飲める一石二鳥のお茶になりました。

 

 美味しいと思うお茶を求めるには、その土地や淹れる水、気候など様々な要因が関係していて、さらにその人が普段口にしているものやその時の環境やムードが非常に密接に関わってくると感じました。

違う土地でお茶をおもてなしするときは、会話やその方の日常背景の中からお客様の好みの味を探り出してその方にヒットするお茶をご提供できたらいいなと思う帰省なのでした。



*写真は、伊吹山で自生しているイブキジャコウソウ




- 地名の由来を考える(by Chisei.T)

 街並みを歩いていたり、運転し案内標識を見かけるとふと地名に目がいくことがあり、それを紐解くと実は歴史と古く繋がりを持っていることがあります。今回は和束町を含む山城地域の「山城」の由来について考えていこうと思います。

 京都市より南の和束町や宇治市などを含む7市7町1村の地域を山城地域と呼びますが、古くは「やましろ」を「山城」ではなく、「山背」と表記していたそうです。その由来は、なら山を背にし平城京の後ろ側にある地域(図の赤い線より北側)からです。ではなぜ、北側が背中に当たるのかというと、平城京や平安京のような都は南が正面になるように建てられていて南を前とすると北側は後ろに当たるからです。南を正面に造る理由は、北には鬼門があるという考えがあるためで、その正面の門として、南大門や朱雀門(朱雀は南の四神)が構えられることがあります。平城京の後、桓武天皇が平安京に都を遷都した際に自分が築いた新たな都が位置する地域が「背後」にあるのを嫌がったという理由とこの「やましろ」地域が山が襟のように、河が帯のように取りまいて敵からの攻撃を受けにくく、まるで自然に作られた城のようだという地形を称し、「山背」から「山城」へと改名し、現在も山城の名称が使われることとなりました。

 城のような地形と表現されるように和束町の茶畑は急斜面が多く、お茶の栽培や作業は大変ですが、その分美味しいお茶を作ることができます。そんな和束で作られたお茶やお茶を使ったお菓子をお楽しみください。



- 寒かった1月(by Ryhan)

 

1月はとっても寒い月となりました。和束町では-7℃まで気温が下がった日もありました。寒さには耐えなければいけないけど、嬉しいこともあります。雪が降ったのです!

和束町から車で30分ほどで着く奈良市では地面が見えなくなるほど雪が積もりました。こんなに積もったのは7年ぶりのことだったそうです。雪が積もったとわかって私はカメラを片手にすぐに家から飛び出してたくさんの写真をとりにいきました!(出身地のシンガポールでは雪など見られないですから)

 この冬は異常な気温の変化で、地球温暖化による気象変動が心配ではあります。農家はその気象変動を理解して臨機応変に対応できるように新しい対策を考えていかなければならないと思います。

私たちはみなさんに美味しいお茶を届けることに引き続き尽力し、より安全に持続可能な栽培ができるよう私自身も農業の勉強に勤しもうと思います。



- 2021年のオンライン部門の抱負!(by Misato.T)

 

 1月は緊急事態宣言の影響もあって、和束町にお越しになるお客様の数は非常に少なくひっそりとしています。
和束町に来ていただくのが難しい分、今年はより一層オンラインショップを通じて全国のお客様にお茶の魅力を伝えていかなければと思っています。
いつも和束町本店では、販売スタッフがお茶の淹れ方・栽培方法・なぜ和束町でおいしいお茶ができるのか、などなどお茶に関する情報をお客様にしっかりと理解していただけるよう、説明に力を入れています。(お客様に説明することが多いので、販売員としては大変ではあるのですが、やりがいも大きいです。)
店舗と同じレベルでの接客がオンラインショップでも実現できれば、全国にもっと和束茶ファンを増やしていけるはずと思っています。今はまだ単に商品を販売するショップに過ぎませんが、お茶に関する情報の配信、配送時の商品情報量の充実などを通じて、お茶の魅力をよりわかりやすく楽しく伝えていく努力をしていこうと考えています。また、オンラインショップのお客様との相互コミュニケーションの機会を持っていくことも、今年やりたいことの一つです。

他にはない面白いお茶ショップにしていきたいと思っていますので、定期的にショップに遊びに来ていけると嬉しいです!(画像はオンラインショップのお茶ブログ)



- d:matchaのこと(by Daiki.T)

 日本茶には、様々な品種、土地による味わいの違い、加工の方法によって様々な味わいの楽しみ方がありますが、ワインのように理解し易い基準がありません。また、日本語では、日本茶インストラクターや茶業百科を始めとするたくさんの日本茶に関する情報源がありますが、英語など多言語では殆ど無いのが現状です。

 より多くの消費者、またお茶をビジネスの生業にする多国のプロフェッショナルに正しい日本茶の知識をもってもらうべく、日本茶に関するスクールを展開しようと準備しています。本を現在執筆中で、また、和束町内でワークショップなどを行う教室の整備を行っています。コロナ禍で海外の方を和束にお招きすることは困難ですが、動画やオンライン講座などをとおして現在できることを進めていこうと考えています。 

 このようなプログラムがあること、現状のプログラム内容にフィードバックをもらうべく、世界中にフォロワーを持つyoutuberのJunさんとRachelさんにお越しいただき、動画を作製していただています。公開になるのが大変楽しみです。 

 代表取締役 田中大貴