お茶の樹は、被覆をして遮光することで、新芽に含まれるアミノ酸がカテキンなどの渋み成分になるのを防ぎ、旨味のより強いお茶を作ることができます。
14日間以上の被覆で「被せ茶」、20日間以上の被覆で「玉露」や「碾茶」となります。18日間は、一般の「被せ茶」よりも被覆期間が長く、旨味が強い仕上がりとなっています。
「おくみどり」は、「やぶきた」系の品種ではありますが、被覆栽培との相性が良く、被覆をすることで、独特の少し青々しい旨味がでてきます。
2020年は、おくみどりだけでも、複数の被覆期間別でお楽しみ頂けるように少量多品種で栽培していますので、是非飲み比べてお楽しみ頂ければ幸いです。
d:matchaでは、味わいや畑の特徴の違いを科学的に検証し、データやノウハウを蓄積していきたいと考えています。
「旨味」を感じるもとなる「遊離アミノ酸」の含有量を、2019年煎茶について成分分析してみました。
もちろん、アミノ酸含有量は1つの指標にすぎません。
「旨味」はあくまでもお茶の味わいを構成する一つの要因です。
渋みや香りなど複数の要因が織り重なって、茶の味わいの個性を形作っていくということも併せて記載させていただきます。
実は、茶にはたくさんの品種が存在しています。
2019年時点で約120種もの品種が存在しています。栽培地域や用途に適した品種を農家は選び、栽培しています。
品種によって、味わいはさまざま。
この違いをご家庭でも気軽に楽しんでいただけるよう、d:matchaでは品種別シングルオリジン煎茶を販売しています。
非常に手間はかかりますが、少量多品種の品揃えで、お客様のニーズにきめ細かく応えていきたいと考えています。
お茶プロフィール
品種は「おくみどり」
全国生産量約3%の品種。清涼感に加えて旨味・甘みがある品種です。
tea information | |
収穫日 |
2020/5/24 |
収穫期・グレード |
一番茶 |
品種 |
おくみどり |
畑の場所 |
和束町湯船地区 |
被覆期間 |
18日間、被せ茶 |
栽培方法 |
慣行栽培 |
香りの特徴 |
海苔のような豊かな覆い香 |
味の特徴 |
渋みは非常に少なく、旨味がしっかりとのった味。 |
色の特徴 |
深緑色 |
「やぶきた」よりも7日程度遅れて芽が出る晩生品種です。
※農家にとっては、芽が出る時期が一度重ならないことが、農作業のピークを平準化し、茶をベストのタイミングで収穫するために非常に重要です。
「おくみどり」は静岡品種。もともとは煎茶品種ですが、色の良さから和束町では碾茶(抹茶用の茶)として栽培されることも多い品種で、用途が多様なので使い勝手の良い品種です。
煎茶ならではの清涼感を残しつつも、旨味・甘みがしっかりと乗るのでうまく育てると味わいのバランスの良い茶となります。
時にその味わいはどこかミルクを連想させるような味わいとなることがあります。
独特の草のような青い香りがします。
栽培メモ
-畑担当よりひとことー
毎年碾茶で収穫するために潤沢な施肥管理をしてきた湯船地区のおくみどりの畑。
湯船は、和束の中でも寒い場所ということもあり、被覆期間を比較的に長くしても摘採期が長いために旨味たっぷりの美味しいお茶が収穫できます。
この「おくみどり」の畑は、湯船地区の向井出という場所にあり、周囲を杉林に囲まれ、北向きの畑であるため、収量は望めませんが、旨味がのりやすいです。(お茶の旨味成分であるテアニンは強い光に当たるとカテキンなどの渋み成分に変わります)
おすすめの淹れ方
宇治の上級煎茶は低温で淹れるのがおいしい!
1.急須の中にお湯を注ぎ、急須を温めます。その後、急須の中のお湯をカップに注ぎ、カップを温めます。
こうすることで、お湯の温度が約20℃~30℃ほど下がります。
2.温まった急須の中に、茶葉を入れます。目安はティースプーンで3杯(5~6g)ほど。
3.カップのなかのお湯を急須に注ぎ、蓋をしてしっかりと蒸らします。目安は大体1分半~2分ほど。
※茶をつぐ時は、均等の濃さになるように、回し注ぎするとよいでしょう。
※飲み終わったら、再びお湯を注いで、2杯目、3杯目と楽しむことができます。
dmatchaでは、収量を求めず1芯2葉の柔らかくアミノ酸含有量が高い部分のみを収穫しています。
どの煎茶も収量は極めて少ないですが、その分高い品質を担保できるように細心の注意を払っています。
市場出荷を主に行っている一般的な農家では、このような収穫方法では収支が合わないため、実現しません。
ほぼ全量を自分たちでお客様に直接販売しているd:matchaならではの特徴です。
d:matchaでは煎茶は全量を自社工場で揉んでいます。
茶農家数軒が協力して、人繰りや管理を行う共同工場もありますが、揉み方を細かくカスタマイズすることが難しいため、自社で揉むことにしています。
非常に手間はかかりますが、それぞれの茶葉の個性を引き出すべく、丁寧に揉んでいます。
少量ずつ芽の状態を見極めながら加工することで、個性のあるお茶創りを目指しています。
【動画解説】被覆栽培とは?
【動画解説】収穫の様子
【動画解説】煎茶工場
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産地 |
煎茶:京都府相楽郡和束町 |
加工地 |
京都府相楽郡和束町 |
原材料 |
緑茶(京都府和束町産) |
賞味期限 |
商品発送後6ヵ月目安 |
諸注意 |
開封後は高温多湿の場所を避け、お早めにお召し上がりください。 |